[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" bordercolor="#3d7a24" color="#3d7a24" bgcolor="#edf7e6"]

  • じゃがいもの追肥に「窒素だけ」がNGな理由
  • 芋を大きくする追肥の主役「硫酸カリ」とは何か
  • 追肥の正しいタイミングと回数(2回) [/st-mybox]

「葉っぱは元気そうなのに、掘ってみたら芋が小さかった」「毎年同じように育てているのに、収量がイマイチ」——そんな経験はありませんか?

実はその原因、追肥のやり方にある可能性がとても高いんです。

じゃがいもの追肥というと「窒素を含んだ肥料をあげればいい」と思っている方が多いのですが、それだけでは芋を大きくすることはできません。じゃがいもの芋を大きく育てるためには、追肥のときに"ある栄養素"を一緒に補充してあげることが非常に重要です。

今回は家庭菜園歴10年以上の私が、「これを入れてください」の正体と、追肥の正しいやり方を3つのポイントに分けて丁寧に解説していきます。


はじめに:じゃがいもの生育サイクルをおさらい

まず、じゃがいもがどのように育っていくのかを簡単に確認しておきましょう。ここを理解しておくと、なぜ追肥のタイミングと中身が重要なのかがスッと頭に入ってきます。

じゃがいもは種芋を植えてから発芽し、茎と葉が育っていきます。この段階では地上部がぐんぐん伸びる時期で、光合成で栄養を作りながら株全体が大きくなっていきます。

そして、ある程度茎が伸びてくると、地下の茎の部分に「ストロン」と呼ばれる横に伸びる茎が出てきます。このストロンの先端が膨らんで、私たちが食べるあの芋になっていくんです。

つまり、最初は地上部を育てる時期、次に地下で芋を太らせる時期、という2つの段階があります。

追肥が必要なのは主に「芋を太らせる時期」の手前と、その時期が始まったタイミングです。この時期を逃してしまうと、いくら肥料をあげても手遅れになってしまいます。

[st-kaiwa2 r]「ストロン」って初めて聞きました。普通の根っことは違うんですか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]はい、ストロンは根ではなく「地下茎」と呼ばれる茎の仲間です。横に伸びていく細い茎で、その先端に栄養が集まって芋になります。だから、ストロンがしっかり伸びる空間(土の深さや柔らかさ)も芋の大きさに影響するんですよ![/st-kaiwa1]


①じゃがいもの追肥に「窒素だけ」はNG!その理由

家庭菜園でよく使われる化成肥料には、「窒素・リン酸・カリウム(カリ)」の3種類の栄養素が含まれています。それぞれ役割が違って、窒素は葉や茎を育てる栄養素、リン酸は花や実を育てる栄養素、そしてカリウムは根や芋などの地下部分を育てる栄養素です。

「窒素を与えれば株が元気になって、芋も大きくなるはず」と考えがちです。でも実は、窒素を多く与えすぎると「つるぼけ」という状態になってしまうんです。

[st-kaiwa2 r]「つるぼけ」って何ですか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]地上の茎や葉っぱばかりがどんどん大きく育ってしまい、地下の芋には栄養が回らなくなってしまう状態のことです。葉は青々として元気そうに見えるのに、掘ってみたら芋がほとんどない、あるいはすごく小さい——という残念な結果になってしまいます。[/st-kaiwa1]

特にじゃがいもは窒素に対して非常に敏感な野菜です。生育の後半に窒素を多く与えてしまうと、芋が大きくなるどころか、芋の数が減ったり、芋の品質が下がったりすることもあります。

では、追肥で何を意識すればいいのかというと、「カリウム(カリ)」です。

カリウムはじゃがいもにとって非常に重要な栄養素で、芋を太らせるための直接的な栄養素と言っても過言ではありません。土の中のカリウムが不足すると、芋が大きくならないだけでなく、芋の内部に空洞ができてしまったり、傷みやすくなったりするという問題も起きてきます。

[st-mybox title="追肥の基本まとめ" fontawesome="fa-lightbulb-o" bordercolor="#3d7a24" color="#3d7a24" bgcolor="#edf7e6"]

  • 窒素の与えすぎ → つるぼけ → 芋が小さくなる
  • カリウムをしっかり補充 → 芋が大きく、品質も上がる [/st-mybox]

[st-kaiwa2 r]カリウムが足りていないかどうか、見た目でわかりますか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]葉の縁が茶色くなって枯れてくる「チップバーン」という症状が出たり、葉の色が黄色っぽくなったりしていたらカリウム不足のサインです。そういった症状が出ていたら、早めに補充してあげてください![/st-kaiwa1]


②追肥に入れてほしい「これ」の正体は硫酸カリ

2つ目のポイントが今日のメインテーマです。追肥に入れてほしい「これ」の正体をお伝えします。

ずばり、入れてほしいのは「硫酸カリ(りゅうさんかり)」です。

硫酸カリとは、カリウムを補充するための肥料で、ホームセンターや園芸店で手軽に購入できます。袋に「硫酸カリ」または「硫加」と書いてあります。価格も比較的安く、1kgで数百円程度で売っていることが多いですよ。

なぜ「塩化カリ」ではなく「硫酸カリ」なのか

カリウムを補充する肥料には「塩化カリ」と「硫酸カリ」の2種類があります。じゃがいもには硫酸カリの方が断然向いているんです。

塩化カリにはその名の通り「塩素(えんそ)」が含まれていて、じゃがいもは塩素に対してとても敏感な野菜です。塩化カリを与えてしまうと、芋の品質が下がったり、でんぷんの含有量が減ってしまって、ホクホク感のない水っぽいじゃがいもになってしまったりするんです。

一方で硫酸カリには塩素が含まれておらず、じゃがいもの品質を損なわずにカリウムだけをしっかり補充できます。だから、「硫酸カリ」を選んでほしいんです。

[st-kaiwa2 r]硫酸カリって、どのくらいの量をあげればいいですか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]株あたり5〜10g程度が目安で、だいたい小さじ1〜2杯くらいのイメージです。株元から少し離れた場所にパラパラと土の表面に撒いて、軽く土と混ぜてあげるだけでOKです![/st-kaiwa1]

おすすめの硫酸カリはこちら

硫酸カリを与えるとどう変わるのか

硫酸カリをきちんと与えると、具体的にどのような変化が起きるのかを説明します。

まず、芋の肥大速度が上がります。カリウムは植物体の中で「糖の転流(てんりゅう)」を促進する働きがあります。葉っぱで光合成によって作られた糖(栄養)を芋の部分にしっかりと運んでくれるので、芋がどんどん太っていきます。

次に、芋の品質が上がります。でんぷんの合成にもカリウムが関わっているため、ホクホクとした食感のおいしいじゃがいもが育ちやすくなります。さらに、カリウムが十分な植物は細胞壁が丈夫になるため、病害虫への抵抗力も高まります。

[st-kaiwa2 r]硫酸カリだけ与えればいいんですか?普通の化成肥料は必要ないですか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]2回目の追肥では通常の化成肥料に「硫酸カリを追加する」のが基本です。化成肥料だけではカリウムが足りないことが多いので、硫酸カリで補ってあげるイメージです。もし肥料の管理が難しいと感じる方は、最初からカリウムが多めに配合された「じゃがいも専用肥料」を使うのも一つの方法ですよ![/st-kaiwa1]


③追肥の正しいタイミングと回数

どんなに良い肥料を使っても、タイミングを間違えては意味がありません。じゃがいもの追肥には基本となる2回のタイミングがあります。

1回目の追肥:芽かきの後(植え付けから約1ヶ月後)

1回目の追肥は、「芽かき」をしたあとに行います。

じゃがいもは種芋から複数の芽が出てきますが、そのまま全部の芽を育ててしまうと栄養が分散して芋が小さくなってしまいます。強い芽を2〜3本だけ残して、他の芽を摘み取る「芽かき」という作業をします。

芽かきのタイミングは、草丈が15〜20cmほどになったころ、だいたい植え付けから3〜4週間後です。

この芽かきが終わったタイミングで、1回目の追肥を行いましょう。肥料の種類は、窒素・リン酸・カリウムがバランスよく配合された一般的な化成肥料(8-8-8など)を使います。1株あたり10g前後が目安です。

[st-kaiwa2 r]芽かきって、どれが「強い芽」なのか迷ってしまいます。[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]太くてしっかりした茎を選んでください。細くて頼りなさそうな芽を摘み取るイメージです。迷ったときは一番太い茎を1本だけ残すところから始めても大丈夫ですよ。慣れてきたら2〜3本残すようにしていきましょう![/st-kaiwa1]

このタイミングの追肥は、株全体を元気に育てるための「土台づくり」の肥料です。株が元気に育つことで、後からたくさんの芋がつく準備が整います。

2回目の追肥:開花前後(植え付けから約2ヶ月後)

2回目の追肥が、今日のメインテーマである「硫酸カリを入れる」タイミングです。

じゃがいもは植え付けから約2ヶ月ほどで花が咲き始めます。この開花の少し前〜開花中のタイミングが、芋が本格的に肥大し始める時期です。

2回目の追肥では、通常の化成肥料に加えて、硫酸カリを株あたり5〜10g追加して一緒に与えましょう。これが、芋を一気に大きくするポイントです。

ただし、この時期に窒素を多く与えすぎるとつるぼけになってしまいますので、2回目の追肥では窒素が少なめか、含まれていない肥料を選ぶようにしてください。カリウムが多く配合された「秋肥」や「根菜用肥料」なども2回目の追肥に向いています。

[st-kaiwa2 r]花が咲いてからでも遅くないですか?開花前に与えた方がいいですか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]開花の少し前(つぼみが見えてきたころ)が理想ですが、開花中でも問題ありません。花が散り始めてからでも効果はありますよ。ただ、開花からだいぶ時間が経ってからでは手遅れになることもあるので、花が咲いたら「そろそろ2回目の追肥だ」と覚えておいてくださいね![/st-kaiwa1]

追肥のやり方(施肥の方法)

肥料は株元の真下ではなく、株元から10〜15cm離れた場所に施します。根が広がっている先端部分に近い場所に肥料を与えることで、根が効率よく吸収できます。

株元の真下に与えると、肥料が直接根に触れて「肥料焼け」を起こしてしまう可能性がありますので注意してください。

肥料を撒いたら、軽く土と混ぜて、土を株元に寄せる「土寄せ」も一緒に行いましょう。追肥と土寄せはセットで行うのが基本です。土寄せをすることで、地下に伸びるストロンの先端に十分な土が被さり、芋が緑化するのを防ぎ、新しい芋がつくスペースも広がります。

[st-kaiwa2 r]土寄せって、どのくらい土を寄せればいいですか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]株元の茎の根元が5〜10cmほど土に埋まるくらいが目安です。あまり大量に盛りすぎなくてもOKです。土寄せのたびに少しずつ寄せていくことで、最終的にしっかりした土のクッションができますよ![/st-kaiwa1]

追肥で注意したいこと

[st-mybox title="追肥の3つの注意点" fontawesome="fa-exclamation-triangle" bordercolor="#e74c3c" color="#e74c3c" bgcolor="#fdf2f2"]

  1. 肥料の量を守る——多ければ多いほどいいわけではない。特に窒素の与えすぎはつるぼけの原因になる
  2. 晴れた日の午前中に与える——雨の日や夕方は根腐れのリスクがある
  3. 植え付けから2ヶ月半以降は追肥しない——収穫の3〜4週間前にはやめること [/st-mybox]

[st-kaiwa2 r]追肥のやりすぎって、植物にどんな悪影響がありますか?[/st-kaiwa2]

[st-kaiwa1]肥料が多すぎると根が傷む「肥料焼け」が起きます。根が傷むと水分や栄養を吸えなくなってしまい、かえって株が弱ってしまいます。「少し足りないかな?」くらいがちょうどいい、と覚えておいてください。じゃがいもはそれほど多くの肥料を必要としない野菜ですよ![/st-kaiwa1]


まとめ|芋を大きくする追肥の3つのポイント

[st-step step_no="1"] 窒素だけの追肥はNG。つるぼけに注意しながら、カリウムの補充を意識する。じゃがいもの芋は地下で育つので、地下部を育てるカリウムが重要 [/st-step]

[st-step step_no="2"] 追肥に入れてほしいのは「硫酸カリ」。塩化カリではなく硫酸カリを選ぶことで、じゃがいもの品質を落とさずにカリウムを補充できる。ホクホクのじゃがいもに育つ! [/st-step]

[st-step step_no="3"] 追肥のタイミングは2回。1回目は芽かき後(植え付けから約1ヶ月)、2回目は開花前後(植え付けから約2ヶ月)。2回目に硫酸カリを追加することが芋を大きくする鍵! [/st-step]

この3つのポイントを押さえるだけで、「なんとなく追肥していた」という方も収穫量と芋の大きさが変わってくると思います。ぜひ今シーズンの栽培に取り入れてみてください。


おすすめのじゃがいも専用肥料

https://youtu.be/Y-mUzVMsq7o


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