[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 実のお尻が黒くへこむ尻腐れの正体は「カルシウム不足」ではなく「カルシウムが届いていない」こと
- 赤い実が突然割れる裂果の正体は「実が急に水を吸いすぎること」
- 見た目が違う2つのトラブルの原因の大もとは同じという事実
- 両方まとめて防げる「水分管理」のコツ5つ
[/st-mybox]

家庭菜園でトマトを育てていると、順調に大きくなってきた実のお尻が黒っぽくへこんでいたり、もうすぐ収穫できそうな赤い実がある日突然パックリと割れていたり……そんな経験はありませんか。せっかくここまで大事に育ててきたのに、と本当にがっかりしますよね。
でも安心してください。尻腐れと裂果、この2つは見た目はまったく違うトラブルですが、原因の大もとは実は同じです。それが「水分管理」、つまりトマトへの水のあげ方・水の届き方です。ここさえコントロールできれば、2つのトラブルはまとめて防げます。
[st-kaiwa2 r]尻腐れと裂果って、全然違う症状に見えるのに原因が同じなんですか?[/st-kaiwa2 r] [st-kaiwa1]そうなんです。見た目はまったく違いますが、どちらも「水分の急な変化」が引き金になっています。今日は①尻腐れの正体と防ぎ方、②裂果の正体と防ぎ方、③その両方を一気に防ぐ水分管理の極意、この3つに分けてお話ししますね。[/st-kaiwa1]
ポイント① 尻腐れの正体は「カルシウムが届いていない」こと

尻腐れの原因はカルシウム不足です。実のお尻にカルシウムが足りなくなり、その部分の細胞が壊れてしまう。これが、お尻が黒くへこむ尻腐れの正体です。
ただし大事なポイントがあります。「カルシウム不足」といっても、土の中のカルシウムが足りないという意味ではないことがほとんど。土にはちゃんとカルシウムがあるのに、それが実のお尻まで「届いていない」というのが、尻腐れの本当の正体です。
カルシウムという栄養は、水と一緒に植物の中を移動します。根から吸い上げた水に乗って、茎を通って葉や実へ運ばれる。カルシウムは、この「水の流れ」に乗らないと移動できません。いわば「水という電車」にしか乗れない乗客のようなもので、土という倉庫にどれだけカルシウムが積まれていても、肝心の電車=水の流れが止まってしまえば、いちばん遠い終着駅である実のお尻には永遠にたどり着けないのです。

この「水の電車」が止まってしまう原因は主に3つ。水切れ(吸い上げる水がないのでカルシウムも運ばれない)、窒素肥料のやりすぎ(葉や茎ばかり茂り、水とカルシウムが実より葉に優先的に取られる)、肥料のやりすぎで土の濃度が濃くなりすぎる(根が水を吸いにくくなる)の3つです。
[st-kaiwa2 r]尻腐れになってしまった実は、もう元に戻らないんですか?[/st-kaiwa2 r] [st-kaiwa1]残念ながら戻りません。見つけたら早めに取り除いて、栄養を次の元気な実に回してあげましょう。応急処置には、カルシウム入りの液体肥料を葉に直接スプレーする「葉面散布」がいちばん早く効きます。よく卵の殻を埋めるといいと言われますが、効くまで時間がかかるので今困っている症状には向きません。[/st-kaiwa1]
尻腐れの防ぎ方は4つ。①土をカラカラに乾かして思い出したように大量にやる、という繰り返しをやめて安定した水やりを心がける。②株元をワラやマルチシートで覆うマルチングで土の水分蒸発を抑える。③葉ばかり茂らせないよう窒素肥料は控えめにする。④植え付け前に苦土石灰をしっかり混ぜてカルシウムを補給しておく。
植え付け前の土づくりの段階でカルシウムをしっかり補給しておくと、その後の管理がぐっと楽になります。総合的な土壌改良効果もある苦土石灰なら、初めての方でも扱いやすいです。
[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 尻腐れの正体は「カルシウムが実まで届いていない」こと
- 水切れ・窒素過多・肥料濃度が水の流れを止める
- 安定した水やり・マルチング・窒素控えめ・カルシウム補給で防ぐ
[/st-mybox]
ポイント② 裂果の正体は「実が急に水を吸いすぎる」こと

裂果の原因は実が急に水を吸いすぎることです。トマトの実を水風船だと思ってください。ゆっくり水を入れれば、ゴムが少しずつ伸びてきれいに膨らみますが、一気に勢いよく水を入れるとゴムが伸びきれずパンッと割れてしまいます。トマトの実もこれと同じで、皮がゴム、中身の果肉が水。果肉が急に膨らむと、皮がそれに追いつけずに裂けてしまうのです。
いちばん多いのは、乾燥した状態が続いたあとに急に大雨が降る、あるいは久しぶりにたっぷり水をやるケース。土がカラカラに乾いてトマトが水を欲しがっているところにドカッと水が来ると、根が一気に水を吸い上げて果肉が急膨張し、皮が裂けます。
もう1つ見落としがちなのが強い直射日光です。実が強い日差しにずっと当たっていると皮が硬くもろくなり、ちょっとした水分の変化でも割れやすくなります。わき芽かきや摘葉で葉を取りすぎて実が丸裸になっていると、これが起きやすいので注意してください。

[st-kaiwa2 r]裂果にもいろんな割れ方がありますよね?[/st-kaiwa2 r] [st-kaiwa1]ヘタの周りに輪っか状のひびが入る「同心円状」と、ヘタから外に向かって放射状にひびが入る「放射状」の2種類がありますが、原因はどちらも同じで水分の急な変化です。[/st-kaiwa1]
裂果の防ぎ方は4つ。①乾燥させすぎない水分を一定に保つこと。②梅雨の長雨や夏の夕立を防ぐ雨よけ。プランターなら雨の予報のときは軒下に移動するだけでも違います。③実を直射日光から守るため葉を取りすぎないこと。④完熟を待ちすぎず早めに収穫すること。特に雨の予報が出ている前日には、色づいた実を先に収穫してしまうのがおすすめです。どうしても毎年割れて困る場合は、比較的割れにくいミニトマト・中玉トマトの品種を選ぶのも一つの手です。
梅雨や夕立が心配な時期は、簡易的な雨よけを用意しておくと安心です。
[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 裂果の正体は「実が急に水を吸いすぎて皮が追いつかない」こと
- 乾燥後の急な大雨・強い直射日光が引き金になる
- 水分を一定に・雨よけ・葉を残す・早めの収穫で防ぐ
[/st-mybox]
ポイント③ 水分管理の極意「土をいつも同じ湿り気にキープする」

尻腐れと裂果、この2つを一気に防ぐ最大のコツは「土をいつも同じくらいの湿り気にキープする」こと。乾かしすぎない、でも急に水浸しにもしない。この「一定」をキープすることが、2つのトラブルを同時に防ぐ最大のコツです。
尻腐れは「水が止まってカルシウムが実に届かない」トラブル、裂果は「水が急に来すぎて実が割れる」トラブル。どちらも引き金は「水分の急な変化」なので、水分をいつも一定に保ってあげれば、この2つはどちらも起きにくくなります。まさに一石二鳥というわけです。

土の湿り気を一定にキープするコツは5つ。①土の表面が乾いてきたらたっぷりあげ、カラカラに放置しない水やりのリズムを作る。水やり前に指で土の湿り気を確認する習慣をつけると感覚がつかめてきます。②晴れの日の乾燥も雨の日の急な過湿も和らげてくれるマルチング。乾燥と過湿、両方の急な変化をクッションのように吸収してくれる、尻腐れにも裂果にも効く万能対策です。③降りすぎる水を防ぎつつ、入った水はすぐ抜ける雨よけと水はけの両立。プランターは受け皿に水を溜めっぱなしにしないこと。④バランスを大事にする肥料はほどほどに。⑤鉢植えは土の量が少なく乾きやすいので、プランター栽培は朝夕1日2回チェックし、できるだけ大きめの鉢を使いマルチングも併用する。
[st-kaiwa2 r]結局、いちばん大事なことを一言で言うと何ですか?[/st-kaiwa2 r] [st-kaiwa1]トマトは「変化が苦手」な野菜だということです。ドカッと水をやってそのあとカラカラに乾かす、という極端な環境がいちばん苦手。いつも同じような環境を作ってあげることが、おいしい実をたくさん採るいちばんの近道です。[/st-kaiwa1]
土の湿り気を一定に保つには、株元を覆うマルチング資材がひとつあると管理がぐっと楽になります。
[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 尻腐れも裂果も「水分の急な変化」が共通の引き金
- 水やりのリズム・マルチング・雨よけと水はけ・肥料はほどほど・プランターは朝夕チェック
- 「土をいつも同じ湿り気にキープする」がすべての土台
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まとめ
それでは今日のおさらいです。トマトの尻腐れと裂果を防ぐ3つのポイントはこちらでした。
[st-step step_no="1"]尻腐れの正体と防ぎ方[/st-step] カルシウムが実まで届かないトラブル。安定した水やり・マルチング・窒素控えめ・カルシウム補給で防ぐ。
[st-step step_no="2"]裂果の正体と防ぎ方[/st-step] 実が急に水を吸いすぎて皮が裂けるトラブル。水分を一定に・雨よけ・葉を残す・早めの収穫で防ぐ。
[st-step step_no="3"]水分管理の極意[/st-step] 土をいつも同じ湿り気にキープすることが、2つのトラブルをまとめて防ぐいちばんのコツ。
尻腐れも裂果も、原因の大もとは「水分の急な変化」。難しく考えなくて大丈夫です。まずは水やりのリズムとマルチング、この2つを見直してみてください。きっと結果が変わってきますよ。
[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]
