[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 夏にきゅうりが枯れる本当の原因は「株のスタミナ切れ」
- 実を大きくしすぎない18〜20cmの早採り
- 根っこを暑さから守る敷きわらと朝の水やり
- 2週間に1回の追肥と古い下葉の入れ替え
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この時期、一番多くいただく質問があります。「6月まであんなに元気だったきゅうりが、7月に入った途端、下の葉から黄色くなって、あっという間に枯れてしまいました。何が悪かったんでしょうか」というものです。
これ、本当に多いんですよ。しかも、その方たちの多くが、水もあげてるし、肥料もあげてるし、病気の薬もまいている。ちゃんとやっているのに枯れるんです。
先に結論から言ってしまいますね。夏にきゅうりが枯れる本当の原因は、病気でも、水不足でもありません。「株のスタミナ切れ」です。
[st-kaiwa2 r]スタミナ切れ、ですか? 病気じゃないんですね[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]そうなんです。きゅうりは野菜の中でもトップクラスに体力を使う野菜。マラソンで言えば、スタートからずっと全力ダッシュしているような状態です。だから途中で息が切れる。息が切れたところに病気や暑さが襲いかかって、一気に倒れるんですね。つまり枯れる原因は「7月に起きたこと」ではなく、「6月までにスタミナを使い切ってしまったこと」なんです。[/st-kaiwa1]
そもそも、なぜスタミナ切れが起きるのか

理由は2つあります。
1つ目。きゅうりは実がなるスピードが異常に速い。花が咲いてから収穫まで、たったの1週間から10日です。トマトが50日前後、なすが25日前後かかるのに対して、きゅうりは1週間。次から次へと、休みなく実がなります。
2つ目。きゅうりの根っこはとても浅い。地面の表面から20センチ、30センチくらいのところに横に広がっているだけで、深く潜っていきません。
つまりきゅうりは「ガソリンタンクが小さいのに、アクセル全開で走り続ける車」なんです。そりゃあ、ガス欠しますよね。しかもそこに真夏の暑さが加わって、浅い根っこが直接ダメージを受ける。
だから、やるべきこともシンプルに3つです。
[st-step step_no="1"]アクセルを踏みすぎない[/st-step] 実を大きくしすぎない。これが実の管理。
[st-step step_no="2"]エンジンを冷やす[/st-step] 根っこを暑さから守る。これが根っこの管理。
[st-step step_no="3"]ガソリンを補給する[/st-step] 追肥と葉の入れ替え。これがスタミナ補給。
この順番で見ていきましょう。
ポイント① 実を大きくしすぎない

結論から言います。きゅうりは18センチから20センチ、重さで言うと100グラムくらいで、どんどん採ってください。「ちょっとまだ小さいかな」と思うくらいでちょうどいいです。
なぜかというと、植物にとって一番エネルギーを使う仕事は「実を大きくすること」ではなく、「種を完成させること」だからです。
私たちは「実」を食べていますが、植物からすると、実は種を運ぶための入れ物にすぎません。本当の目的は種を完成させること、子孫を残すことです。きゅうりの実を大きくしていくと、中では種がどんどん硬く、大きくなっていきます。取り遅れて黄色くなったきゅうりを切ると、白くて硬い種がびっしり入っていますよね。あれを作るのに、株は持っている力をごっそり使っています。
そしてもっと怖いのがここから。植物は種が完成すると「自分の役目は終わった」と判断して、新しい花を咲かせなくなり、根っこを伸ばすのもやめてしまう。株全体が「引退モード」に入るんです。これが「なり疲れ」の正体です。

具体的な数字で言うと、取り遅れて30センチくらいになった大きなきゅうり。あれ1本で、普通サイズのきゅうり3〜4本分のエネルギーを使っています。たった1本残しただけで、4本分のスタミナが消えるということです。
やってほしいことは3つ。
1つ、毎日見に行くこと。きゅうりは1日で3センチから5センチ伸びます。2日見ないと、もう大きくなりすぎています。「週末だけ畑」という方は、少し小さいと思うくらいで全部採ってしまってください。
2つ、できれば朝に採ること。夕方より朝のほうが実が締まって美味しいですし、日中の暑い時間に大きな実がぶら下がっていると、それだけで株が水を吸い上げ続けて体力を削られます。
3つ、曲がった実・変な形の実・細い実は、見つけ次第すぐ採ること。もったいなくて残しちゃうんですよね。でも逆なんです。形が悪い実ほど、株が「今わたし弱ってますよ」と教えてくれているサイン。そこに栄養を送り続けるのは、疲れきっている人にさらに荷物を持たせるようなものです。
[st-kaiwa2 r]一番最初になった実も、採ったほうがいいんですか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]はい、一番果は5センチから10センチくらいの小さいうちに摘み取ってください。「せっかくなったのにもったいない」と思いますよね。私も最初はそうでした。でもここで我慢して1本捨てると、そのぶん株が根っこを張ることに集中できるので、あとで10本、20本になって返ってきます。最初の1本は収穫じゃなくて投資だと思ってください。[/st-kaiwa1]
[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 18〜20cm・100gでどんどん早採り(迷ったら小さめ)
- 取り遅れ1本で普通サイズ3〜4本分のスタミナが消える
- 曲がり果・細い実・一番果は迷わず摘む
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ポイント② 根っこを暑さから守る

結論から言います。地面が見えている状態にしないでください。敷きわら、刈った草、もみ殻、なんでもいいので株元の地面を覆う。そして水やりは朝です。
真夏の晴れた日、何も覆っていない黒い地面の表面温度は40度を超えます。日によっては50度近くまで上がります。そして、きゅうりの根っこは地面の温度が35度を超えると、水を吸う働きがほとんど止まってしまうんです。
ここが多くの方が誤解しているポイントです。日中、葉っぱがぐったり萎れているのを見て「水が足りないんだ」と慌てて水をあげる。でも土を掘ってみると湿っている。それなのに萎れている。なぜか——水が足りないんじゃなく、根っこが熱くて働けなくなっているんです。だから水があっても吸えない。
[st-kaiwa2 r]じゃあ、萎れてても水をあげちゃダメなんですか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]日中はダメです。ここで水をどんどんあげると、土の中の空気がなくなって根っこが窒息します。しかもその水が地面の熱で温められてお湯になり、根っこを煮てしまう。良かれと思ってやったことが、とどめを刺してしまうんです。[/st-kaiwa1]

対策は3つ。
1つ目、地面を覆う。これが一番効果があります。敷きわらを株元にたっぷり敷くだけで、地面の温度が5度から10度下がります。40度が30度になる。これだけで根っこは働けるようになります。わらがなければ草刈りした草でもいいですし、もみ殻でもいい。とにかく直射日光を地面に当てないことです。
2つ目、水は朝あげる。朝の涼しいうちに、株元にゆっくり時間をかけて、たっぷりと。「表面が濡れた」ではダメで、20センチ、30センチの深さまで届くように。目安は1株あたりバケツ半分くらいです。逆に日中の水やりは絶対にやめてください。ホースの中に溜まった水は真夏だとお湯。50度、60度になっています。どうしても日中に萎れがひどいときは、株元ではなく通路や周りの地面に水をまいてください。気化熱で全体の温度が下がるので、こっちのほうがずっと効果的で安全です。
3つ目、萎れの見分け方を覚える。日中に萎れていても、夕方に涼しくなったらシャキッと戻る——これは正常です。植物が自分で水分を守るためにやっている正しい反応なので心配いりません。でも、夕方になっても、次の日の朝になっても戻らない——これは危険信号。根っこが本当に傷んでいます。この場合は水をあげるのではなく、まず寒冷紗や遮光ネットで日陰を作って回復を待ちます。
「萎れてる、だから水をやる」。この反射を、夏のあいだだけは一回忘れてください。
[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 敷きわら等で地面を覆う(地温が5〜10度下がる)
- 水やりは朝にたっぷり・日中の水やりは厳禁(通路に打ち水を)
- 夕方に戻る萎れは正常・翌朝も戻らないなら遮光して回復を待つ
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地温を下げる敷きわら
株元を覆うだけで地温がぐっと下がり、根っこが働けるようになります。乾燥防止にもなるので、夏のきゅうりには一番効果的な資材です。
ポイント③ 追肥と葉の入れ替え

結論から言います。2週間に1回、必ず追肥してください。そして古くなった下の葉は、少しずつ取り除いてください。
なぜ2週間に1回なのか。理由は2つあります。1つ目、きゅうりは実を採り続ける野菜だから。実を1本収穫するということは、その実に入っていた栄養を畑から持ち出しているということ。1本100グラムのきゅうりを1株から30本採ったら、3キロぶんの栄養が畑から出ていっています。補充しなければ、なくなるのは当たり前ですよね。
2つ目、夏は水やりの量が多いから。毎日たっぷり水をあげるということは、土の中の肥料成分が水と一緒に下へ下へと流れていくということでもあります。夏場は特にこれが激しく、せっかくまいた肥料が根っこの届かないところへ抜けていってしまいます。
やり方は、化成肥料なら1株あたり大さじ1杯から2杯を、株元から30センチくらい離したところにパラパラとまいて軽く土と混ぜる。液体肥料を使うなら1週間に1回のペースで、水やりの代わりにあげてください。

肥料切れのサインは3つ。実の先っぽが細くなる(尻細り果)——ヘタのほうは太いのに先が尖っていく、典型的な肥料切れか水切れのサインです。新しく出る葉がだんだん小さくなる——大人の手のひらサイズだった葉が子どもの手のひらくらいになってきたら栄養不足。葉の色が全体的に薄い黄緑色になる——特に下の葉から色が抜けていく場合は肥料切れの証拠です。
逆に、葉っぱが濃い緑色で分厚くゴワゴワしているのは肥料が多すぎるサイン。こうなると今度はうどんこ病が出やすくなります。何事もバランスですね。
そしてもう一つ大事なのが、葉の入れ替えです。きゅうりの葉っぱには寿命があって、だいたい40日から50日。開いてから40日を過ぎた葉はもうほとんど光合成をしません。栄養を作らないのに水と栄養だけは消費する、つまり株にとってお荷物になっているんです。しかも古い葉は病気の入り口。べと病もうどんこ病も、必ず下の古い葉から始まって上に登っていきます。
[st-kaiwa2 r]下の葉は、どれくらい取っていいんですか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]一度に取っていいのは1枚から2枚まで、多くても3枚です。5枚も6枚も一気に取ると株がびっくりして、かえって弱ります。目安は、今収穫している場所より下の葉はもう役目を終えていると思ってください。実がなっている節から下、10枚くらいを残して、それより下は順番に整理していく。これで風通しも良くなって病気もぐっと減ります。取った葉は必ず畑の外に持っていって処分してくださいね。株元にポイっと落としておくと、雨のときに病気の菌が跳ね返って上の葉に感染しますよ。[/st-kaiwa1]
[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 2週間に1回の追肥(液肥なら週1回)
- 尻細り果・葉が小さくなる・葉色が薄いは肥料切れのサイン
- 古い下葉は1〜2枚ずつ整理して畑の外へ処分
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スタミナ補給の追肥に
ばらまくだけで効く野菜用の肥料があると、2週間に1回の追肥がラクに続けられます。効果がゆっくり続くタイプなら与えすぎの心配も少なく安心です。
まとめ

それでは今日のおさらいです。夏にきゅうりが枯れる本当の原因は、病気でも水不足でもなく「株のスタミナ切れ」でした。それを防ぐ3つの作業はこちらです。
[st-step step_no="1"]実を大きくしすぎない[/st-step] 18〜20cmで早採り。曲がった実と一番果は迷わず摘む。アクセルを踏みすぎない、ということですね。
[st-step step_no="2"]根っこを暑さから守る[/st-step] 敷きわらで地面を覆って、水は朝にたっぷり。日中に萎れても慌てて水をやらない。エンジンを冷やす、ということです。
[st-step step_no="3"]追肥と葉の入れ替え[/st-step] 2週間に1回の追肥。古い下葉は1〜2枚ずつ整理して畑の外へ。ガソリンを補給する、ということですね。
どれも特別な道具はいりません。今日から、今からできることばかりです。もし今、きゅうりが少し元気ないなと思ったら、まずは大きくなりすぎた実を全部採ってください。それだけで、1週間後には新しい花が咲き始めます。株って、ちゃんと応えてくれるんですよ。
きゅうりは、体力さえ切らさなければ10月まで採れる野菜です。7月で終わらせてしまうのは、本当にもったいない。ぜひ今日の3つを試してみてください。
[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]
