[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • トマトが赤くならない本当の原因は「暑さ」だった
  • 葉を残し遮光して実の温度を下げる方法
  • 追肥は窒素控えめ・カリ多めに切り替える
  • うっすら色づいたら収穫して家の中で追熟させる裏ワザ

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この時期に本当に多い質問があります。「トマトの実は大きくなったのに、いつまで経っても赤くならないんです」。

実は立派についている。数もたくさんある。なのに緑のまま。あるいは、なんとなくオレンジっぽくはなってきたけど、そこから先に進まない。肩のところだけ緑や黄色が残ってしまう。「肥料が足りないのかな」「水が足りないのかな」といろいろ試すけれど、やっぱり赤くならない——。

結論から言ってしまいますね。真夏にトマトが赤くならない一番の原因は、肥料でも水でもありません。「暑さ」です。もっと正確に言うと、実そのものの温度が高すぎることです。

[st-kaiwa2 r]えっ、トマトって夏野菜でしょう? 暑いのが好きなんじゃないんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]私も最初はそう思っていました。でも、これが大きな勘違いなんです。トマトはもともと南米アンデスの高原、標高が高くて涼しくて乾燥した場所の生まれ。日本の真夏の蒸し暑さは、トマトにとってはむしろ苦手な環境なんですよ。[/st-kaiwa1]

そもそも、トマトはなぜ赤くなるのか

トマトのあの赤い色。正体は「リコピン」という色素です。もともと入っているわけではなく、実が熟していく過程で、実の中で新しく作られます。

ここが今日いちばん大事なところなんですが、このリコピンを作る工場は、気温が30度を超えると動きが鈍くなって、35度を超えるとほぼストップします。一方で、オレンジ色のもとになる「ベータカロテン」の工場は、暑くても普通に動くんです。

だから真夏は、赤の工場だけが止まって、オレンジの工場は動いている状態になる。その結果、赤くならずにオレンジっぽい、あるいは黄色っぽいまま止まってしまう。肩のところが黄色く残る、いわゆる黄肩果も、これが原因です。

つまり「赤くならない」は、病気でも肥料切れでもなく、暑さで色をつける工場が止まっている状態。原因がわかれば対策も見えてきます。やることはこの3つです。

[st-step step_no="1"]実の温度を下げる[/st-step] 葉を残して日傘にする・遮光ネット・地面を覆う。

[st-step step_no="2"]肥料を「窒素控えめ・カリ多め」に切り替える[/st-step] 窒素過多を止めて、カリを補う。

[st-step step_no="3"]株の負担を減らして、最後は追熟に頼る[/st-step] 摘果・摘心して、うっすら色づいたら家の中で赤くする。

ポイント① 実の温度を下げる

結論から言います。実に直射日光を当てないでください。葉っぱで日陰を作ってあげてください。

ここで気をつけてほしいのが、「気温」と「実の温度」は別物だということ。天気予報で33度と言っていても、直射日光がガンガン当たっている実の表面は40度を軽く超えています。真夏の車のボンネットを想像するとわかりやすいですね。空気は33度でも、日の当たる金属は触れないくらい熱い。トマトの実もまったく同じです。気温は下げられなくても、実の温度なら下げられるんです。

やり方1、葉を取りすぎない。これはめちゃくちゃ多い失敗です。「日当たりを良くしたほうが赤くなるだろう」と思って、実の周りの葉をバサバサ取ってしまう。気持ちはわかります、私も昔やっていました。でも完全に逆効果なんです。葉っぱは実にとっての日傘。葉を取ると実に直射日光が当たって温度が一気に上がり、日焼けを起こして白っぽくなったり、そこから腐ったりもします。

目安として、収穫したい房のすぐ上の葉を2〜3枚は必ず残してください。この葉がその房の日傘になります。取っていいのは、下のほうの黄色くなった葉、地面に触れそうな葉、病気が出ている葉。実の上の元気な葉は絶対に残す。ここだけ守ってください。

やり方2、遮光ネットを使う。遮光率30〜50パーセントくらいの、白か銀の遮光ネットを株の上、あるいは西日が当たる側に張ります。ポイントはべったり全部覆わないこと。株にぴったりかけると風が通らず逆に蒸れます。株から30〜50センチ離して、傘みたいに浮かせてあげる。支柱を1本足して、その上に渡すだけで十分です。

[st-kaiwa2 r]光が減ったら、光合成できなくなりませんか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]大丈夫です。トマトの光合成は、実はそこまで強い光を必要としません。真夏の日本の日射はトマトにとって強すぎるくらいなので、3割カットでちょうどいいんです。特に効かせたいのが午後の西日。朝日はしっかり当てて、午後2時以降の西日を切る。これができると実の温度がかなり違ってきますよ。[/st-kaiwa1]

やり方3、地面の温度を下げる。地面からの照り返しと地熱も実を温めています。黒マルチを使っている方は真夏は要注意。黒マルチは地温を上げるための道具なので、7月8月はやりすぎになります。対策はシンプルで、黒マルチの上に敷きわらや刈った草を乗せるだけ。わざわざ剥がさなくていいです。わらがなければ落ち葉でも刈り草でももみ殻でもOK。地面が見えないように覆うだけで、根も守られるし水持ちも良くなります。

[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 収穫したい房のすぐ上の葉を2〜3枚残す(葉は日傘)
  • 遮光率30〜50%の白い遮光ネットを30〜50cm浮かせて張る(特に西日)
  • 敷きわら等で地面を覆って地温を下げる

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西日を切る白い遮光ネット

株の上に浮かせて張るだけで実の温度がぐっと下がります。白いタイプは光を通しつつ熱だけカットしてくれるので、真夏のトマトにぴったりです。

ポイント② 肥料を「窒素控えめ・カリ多め」に切り替える

結論から言います。真夏の追肥は、窒素を減らして、カリを増やしてください。「赤くならないってことは栄養不足だな」と思って化成肥料をドサッと足す——これが実は逆効果になることが多いんです。

肥料には大きく3つの成分があります。窒素、リン酸、カリ。このうち窒素は葉っぱと茎を育てる成分です。多すぎると株は「よし、体を大きくするぞ」というモードに入り、葉がワサワサ茂って茎が太くなり、脇芽がどんどん出る。いわゆる「樹ボケ」です。こうなると株が作った糖分は全部、葉と茎に使われてしまい、実に回ってきません。実に糖が届かないと熟すスイッチも入りにくく、いつまでも緑のままになります。

一方でカリは、糖分を実まで運んで色をつける手助けをする成分。カリが足りないと着色がムラになったり、肩の部分だけ緑や黄色で残ったりします。つまり真夏の「赤くならないトマト」の多くは、窒素が多すぎてカリが足りていない状態なんです。

自分の畑がどちらなのか、生長点(株のてっぺん)を見れば簡単にわかります。窒素が多すぎるサインは、てっぺんの茎が異常に太い(親指くらいある)、新しい葉が濃い緑色で内側にクルンと巻いている、脇芽がやたら勢いよく出てくる、花が咲いても実が付きにくい。これに当てはまったら窒素過多です。

[st-kaiwa2 r]窒素過多だったら、どうすればいいんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]まずは追肥を2〜3週間、止めてください。何もしないのが一番の対策です。その上でカリを足したい場合は、草木灰を株元にひと握りパラパラ撒いて軽く土と混ぜる。もう少しきっちりやるなら硫酸カリを1株あたり小さじ1杯くらい、株元から少し離して撒きます。液肥派の方はトマト用・実もの野菜用を選んで、規定よりさらに2倍薄めて使ってくださいね。真夏は根が弱っているので、濃い液肥は逆に根を傷めます。[/st-kaiwa1]

そしてもうひとつ大事なこと。追肥のタイミングは朝の涼しい時間か夕方に。日中の暑い時間に肥料をやると、根が水を吸えなくて逆に弱ります。

[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 生長点を見て窒素過多なら追肥を2〜3週間ストップ
  • カリは草木灰か硫酸カリで補う(液肥は2倍薄めて)
  • 追肥は朝か夕方の涼しい時間に

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カリだけを補える硫酸カリ

窒素を増やさずにカリだけを足したいときに便利です。着色を助けて実を充実させてくれるので、真夏のトマトの追肥にちょうどいい肥料です。

ポイント③ 株の負担を減らして、最後は追熟に頼る

結論から言います。実を減らして株を楽にしてあげる。そして、うっすら色づいたら収穫して家の中で赤くする。

まず摘果から。トマトは実がたくさん付いていると嬉しいですよね。でも株の体力は決まっていて、作れる糖分の量には上限があります。それを10個で分けたら1個あたりの取り分は少なくなり、熟すのに時間がかかる。だから赤くならないんです。思い切って大玉トマトならひと房4個まで、中玉なら5〜6個までに減らしてください。取るのは形がいびつなもの、極端に小さいもの、傷があるもの。10個の緑のトマトより、4個の真っ赤なトマトのほうが絶対に嬉しいですから。

次に摘心。支柱の高さまで伸びた株、今から花が咲いても真夏に間に合わない株は、生長点を切ってしまいます。てっぺんを切ると株は「もう上には伸びられない」と判断して、今ある実に養分を集中させます。切る位置は、一番上に残したい房の2〜3枚上の葉のところ。葉を2、3枚残すのは、先ほどの日傘の役割があるからですね。

水やりは、朝、たっぷり、根元に。これが基本です。「トマトは水を切ったほうが甘くなる」とよく聞きますが、あれはハウスの中で温度も湿度もコントロールできる環境の話。真夏の露地でやると、ただ株が枯れます。根が傷んで水も養分も吸えなくなり、実に糖が届かず結果的に赤くならない。しかも尻腐れも出やすくなります。真夏はケチらず水をあげてください。

そして、これが今日いちばん使える話かもしれません。トマトは、株から切っても赤くなります。

トマトは「クライマクテリック型」という果実で、収穫したあと自分でエチレンというガスを出して熟していきます。バナナと同じ仕組みですね。大事な条件がひとつ、実の表面がうっすらでもオレンジや桃色に変わっていること(専門用語で「ブレーカー期」)。ここまで来ていれば、株から切っても味も糖度もほとんど変わらずに赤くなります。真っ緑の状態で取ると、さすがに赤くなりません。

収穫したら、家の中の直射日光が当たらない20〜25度くらいの場所に置いてください。新聞紙にくるんでカゴに入れ、キッチンの隅で十分です。これで3日から1週間で真っ赤になります。早めたい方は、バナナやリンゴと一緒にポリ袋へ。この2つはエチレンをたくさん出すので追熟が加速します。袋の口は軽く閉じるだけ、密閉はしないでくださいね。逆に冷蔵庫はNG。追熟が止まります。

[st-kaiwa1]畑で40度の直射日光に晒されて赤くなれずに割れていくトマトと、涼しい家の中でゆっくり赤くなるトマト。どちらがいいか、答えは明らかですよね。真夏は、畑で完熟させようとしない。これ、けっこう大事な考え方です。[/st-kaiwa1]

[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 大玉はひと房4個まで摘果・支柱の高さで摘心
  • 水は朝たっぷり(真夏の水切りはNG)
  • うっすら色づいたら収穫して20〜25度で追熟(冷蔵庫はNG)

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やりがちなNG 3選

NG1、日当たりを良くしようと葉を取る。逆効果です。実の温度が上がって余計に赤くならなくなり、日焼けもします。葉は日傘。残してください。

NG2、赤くならないから肥料を足す。これも逆効果になることが多いです。窒素が増えて樹ボケし、ますます実に糖が回らなくなります。まずは生長点を見て、窒素過多じゃないか確認してから。

NG3、甘くしようと水を切る。真夏の露地でこれをやると株が弱って終わります。朝、たっぷり。これでいきましょう。

この3つ、全部「よかれと思ってやること」なんですよね。だからこそ気をつけてほしいんです。

まとめ

それでは今日のおさらいです。真夏にトマトが赤くならない本当の原因は暑さでした。リコピンを作る工場は30度を超えると鈍くなり、35度でほぼ止まってしまう。だから実が熟しきれず、緑やオレンジのまま止まってしまうんですね。

[st-step step_no="1"]実の温度を下げる[/st-step] 実の上の葉を2〜3枚残して日傘に。遮光ネットを浮かせて張って西日を切る。地面に敷きわらを敷いて地温を下げる。

[st-step step_no="2"]肥料を窒素控えめ・カリ多めに[/st-step] 生長点を見て窒素過多なら追肥をストップ。カリは草木灰か硫酸カリで補う。液肥は2倍薄めて朝か夕方に。

[st-step step_no="3"]株の負担を減らして最後は追熟[/st-step] 大玉はひと房4個まで摘果。支柱の高さで摘心。水は朝たっぷり。うっすら色づいたら収穫して家の中の20〜25度で追熟。

特に今日からすぐできるのは、敷きわらを敷くこと、そしてうっすら色づいた実を収穫して家の中に置くこと。この2つは道具もほとんど要りません。

トマトって、赤くなった瞬間が一番嬉しい野菜だと思うんです。緑のまま終わってしまうと本当に切ないですよね。でも原因さえわかれば、真夏でも赤くできます。暑さのせいにして諦めるのは、まだ早いですよ。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]


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