[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 終盤のきゅうりが弱る「三重苦」の正体
  • 黄色い葉を取るとかえって株が元気になる理由と取り方の限度
  • 弱った根には液体肥料が効く理由と、追肥を置く正しい場所
  • 一回り小さめで収穫すると総収穫本数が増える仕組み
  • 「もう終わり」と諦める前に見るべき生長点のサイン

[/st-mybox]

7月も後半に入って、こんなことで悩んでいませんか。「あんなに採れていたきゅうりが、急に採れなくなってきた」「下の方の葉っぱが黄色くなって、白い粉みたいなものがついている」「実が曲がったり、先っぽが細くなったりしてきた」「株が全体的に、なんだか元気がない気がする」——これ、まさに今の時期のきゅうりに、すごく多い悩みなんです。

そして、ここで多くの方が「もう終わりかな」と諦めて、株を片付けてしまいます。でも、それはちょっともったいない。

先に結論からお伝えします。きゅうりの収穫を長く楽しむコツは、「株の負担を減らして、新しい葉と根に働いてもらうこと」です。

きゅうりは、実をつけるのにものすごくエネルギーを使う野菜です。だから終盤は、株が疲れきってしまっている状態なんですね。そこで、株から余計な仕事を取り上げて、負担を軽くしてあげる。そうすると、もうひと踏ん張り、実をつけてくれるんです。

[st-kaiwa2 r]葉っぱも黄色いし、実も曲がってきました。うちのきゅうり、もうダメでしょうか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]まだ諦めるのは早いです。チェックしてほしいのは「生長点」、つまりつるの先端です。ここがまだ緑色で伸びているなら、株には十分な体力が残っています。葉が少し黄色くなったくらいで片付けるのは、いちばんもったいない失敗ですよ。[/st-kaiwa1]

なぜ終盤にきゅうりは弱ってしまうのか

3つのポイントに入る前に、まず「どうして終盤に弱るのか」を知っておきましょう。ここが分かっていると、お世話の意味がすっと入ってきます。理由は大きく4つあります。

1つ目は、実の成長がとにかく早いこと。きゅうりは花が咲いてから収穫まで、たったの1週間から10日くらいです。トマトが50日くらいかかるのに比べると、圧倒的に早い。この「早さ」は裏を返せば、それだけ株がエネルギーを一気に使っているということなんですね。

2つ目は、収穫の本数が多いこと。うまく育てば一株で30本、40本と採れます。実を1本つけるたびに株は栄養をごっそり持っていかれる。それを何十回も繰り返しているわけですから、肥料切れを起こさないほうが不思議なくらいです。

3つ目は、根が浅いこと。きゅうりの根は地面のごく浅いところに横に広がる性質があり、深く潜っていきません。だから梅雨が明けて地面が熱くなったり、カラカラに乾いたりすると、真っ先にダメージを受けてしまいます。

4つ目は、下の葉から病気が広がりやすいこと。株が大きくなると下の方の葉は日陰になり、風通しも悪くなります。そこにべと病やうどんこ病が発生して、だんだん上へ上へと広がっていく。気づいたときには株全体に回っている、というパターンがとても多いです。

つまり終盤のきゅうりは、「栄養不足」と「暑さと乾燥」と「病気」の三重苦の状態なんですね。猛暑の中で重い荷物を背負って走り続けるマラソンランナーのようなものです。だからこそ、この3つに手を打ってあげれば、まだまだ収穫は続けられます。

終盤のきゅうりにやるべき「3つのお世話」

やることは、この3つです。

[st-step step_no="1"]古い葉っぱを整理する[/st-step] 黄色い葉・病気の葉・混み合った葉を取って、風通しと日当たりを回復させます。

[st-step step_no="2"]追肥と水やりを絶対に切らさない[/st-step] 弱った根でもすぐ吸える液体肥料が主役。マルチングで根を暑さから守ります。

[st-step step_no="3"]実は早採り、つるは更新する[/st-step] 一回り小さめで収穫して株の負担を減らし、元気なつるに主役を交代させます。

どれも初心者の方でも今日からすぐにできることばかりです。ひとつずつ見ていきましょう。

お世話① 古い葉っぱを整理する

結論から言います。黄色くなった葉、病気が出ている葉、混み合っている葉は、思い切って取ってしまってください。

「葉っぱを取ったら光合成できなくなるんじゃないの?」と心配される方が多いんですが、大丈夫です。むしろ逆なんです。

葉っぱには寿命があります。だいたい開いてから40日から50日くらい経つと、光合成の能力がガクッと落ちてきます。黄色くなった葉というのは、もう栄養を作り出す力がほとんど残っていない状態。それでも株は、その葉を生かしておくために水や栄養を送り続けているんですね。つまり古い葉は「栄養を作る側」から「栄養を消費する側」に変わってしまっているということです。だったら、取ってあげたほうが株は楽になります。

もう一つ大事なのが病気の問題です。べと病もうどんこ病も、まず下の方の古い葉から出てきます。ここを放っておくと、そこが菌の発生源になって、雨や風で上の元気な葉にどんどん飛び火していく。逆に言えば、下葉を整理することが、いちばん手軽で効果的な病気対策なんです。さらに葉を減らすと風通しが良くなり、葉が濡れたままの時間が短くなります。カビ系の病気は湿気が大好きなので、これだけでも発生をぐっと抑えられます。

では、具体的にどうやるか。まず地面から30センチから40センチくらいまでの下葉は、取ってしまって構いません。この高さの葉はもう実もついていませんし、日陰でほとんど仕事をしていません。

取る葉の見分け方は、この3つです。一つ、全体が黄色くなっている葉。二つ、白い粉がふいていたり、黄色や茶色の斑点が出ている葉。三つ、他の葉と重なっていて光が当たっていない葉。重なっている場合は、下側になっている葉から先に取ってください。

[st-kaiwa2 r]せっかくなので、一気にすっきりさせてしまってもいいですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]それが一番危ないんです。一株あたり、多くても3枚から5枚までにしてください。バサバサ取ると株がショックを受けて、かえって弱ってしまいます。「今日はここまで」と決めて数日おきに少しずつ。目安は株を横から見て、葉と葉のすきまから向こう側が少し透けて見えるくらいですよ。[/st-kaiwa1]

作業するのはよく晴れた日の午前中がベストです。切り口が早く乾いて菌が入りにくくなります。雨の日や雨が降りそうな日は避けてください。傷口から病原菌が入って、そこから腐ってしまうことがあります。

ハサミは清潔なものを使ってください。使う前にアルコールで拭くか、火であぶるだけでも違います。手でむしり取ると茎の皮までベリッと剥けてしまうことがあるので、ハサミで茎から少し離してスパッと切りましょう。

そして取った葉は畑に置きっぱなしにしないでください。病気の葉には菌がびっしりついています。そのまま地面に置くと、雨のはね返りでまた葉に戻ってきてしまいます。ビニール袋に入れて口を縛り、燃えるゴミとして処分するのが確実です。

切り口をきれいに保つ剪定ばさみ

葉の整理もつるの更新も、切り口が潰れないよく切れるハサミが仕上がりを左右します。切れ味のいい一本があると、傷口が早く乾いて病気が入りにくくなります。

[st-mybox title="お世話①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 地面から30〜40cmまでの下葉はカットしてOK
  • 一度に取るのは1株3〜5枚まで。数日おきに少しずつ
  • 晴れた日の午前中に、清潔なハサミで。取った葉は袋に入れて処分

[/st-mybox]

お世話② 追肥と水やりを切らさない

結論から言います。終盤こそ、肥料と水を切らさないこと。特に、すぐ効く液体肥料が頼りになります。

きゅうりは野菜の中でもかなりの「肥料食い」です。実がなり続けている限り、株はずっと栄養を使い続けています。ここで肥料が切れると、一気に収穫が止まってしまうんですね。

[st-kaiwa2 r]どうして終盤は、粒の肥料より液体肥料がいいんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]終盤の株は根の力が弱っているからです。粒状の固形肥料は土の中でゆっくり溶けて、それを根が吸い上げる必要があります。でも根が弱っていると、この「吸い上げる力」が落ちている。その点、液体肥料は水に溶けた状態で与えるので、弱った根でもすぐに吸収できます。効き方が全然違いますよ。[/st-kaiwa1]

液体肥料は7日から10日に1回のペースで与えてください。必ずパッケージに書いてある倍率に薄めてから使います。「たくさんあげたほうが効くだろう」と濃くするのは逆効果です。濃い肥料は根を傷めて、かえって枯らしてしまいます。ここは絶対に守ってください。

それに加えて、2週間から3週間に1回、固形の追肥も入れておくと安心です。液肥は即効性がある代わりに効果が続きません。固形肥料でベースを支えて、液肥で足りない分を補う。この組み合わせがいちばん安定します。

弱った根にすぐ届く液体肥料

薄めて与えるだけで、弱った根でもすぐ吸収できます。終盤の収穫を止めないための、いちばん頼れる一本です。必ず規定の倍率に薄めてお使いください。

追肥を置く場所も大事です。株元にドサッと置くのは避けてください。きゅうりの根は横に広がっているので、株元から20センチから30センチくらい離れたところ、ちょうど葉の先が広がっているあたりに撒くのが正解です。株元に直接置くと、太い根や茎を傷めてしまうことがあります。

次に水やりです。基本は朝の涼しい時間にたっぷりと。プランターなら鉢底から流れ出るくらい、畑なら株元にゆっくり時間をかけて染み込ませてください。

夕方の水やりは基本的には控えめに。葉っぱが濡れたまま夜を迎えると、湿気がこもって病気が出やすくなるからです。ただし猛暑日で夕方に株がぐったりしているようなら、夕方にあげても構いません。その場合は葉に水がかからないよう、株元にそっと与えてください。

そして絶対にやってはいけないのが真昼間の水やりです。ホースの中の水がお湯になっていることもありますし、根が熱で傷んでしまいます。どうしてもという時は、日が傾いてからにしましょう。

もう一つ、この時期にぜひやってほしいのがマルチングです。株元の地面を敷きわらや刈った草、もみ殻などで覆ってあげてください。これだけで地面の温度が下がり、水分の蒸発も抑えられます。浅く張っているきゅうりの根を暑さと乾燥から守る効果は本当に大きいです。刈った雑草でも全然構いません。厚さは5センチくらいあれば十分です。

ちなみに、実の形は株からのサインです。先っぽが細くなる「尻細り果」は水不足か肥料切れのサイン。真ん中がくびれる実やひどく曲がった実も、栄養が足りていない証拠。逆に、お尻がぷっくり膨らんだ実は水が多すぎるサインです。実の形を見れば、株が何を欲しがっているか分かるようになりますよ。

なお、この時期の水やりの加減については「きゅうりの水のやりすぎを見極める3つのポイント」でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

[st-mybox title="お世話②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 液体肥料は規定倍率で7〜10日に1回。濃くするのは根を傷めるので厳禁
  • 固形肥料は2〜3週に1回、株元から20〜30cm離した葉の真下に
  • 水やりは朝たっぷり。真昼間は絶対NG。株元に5cmのマルチングを

[/st-mybox]

お世話③ 実は早採り、つるは更新する

結論から言います。実は少し小さめのうちに採ること。そして、勢いのある新しいつるに切り替えていくことです。

まず「早採り」の話から。きゅうりの実を1本大きくするのに、株はものすごいエネルギーを使っています。特に実が大きくなればなるほど、中の種を成熟させるために栄養がどんどん吸い取られていきます。

植物にとっての最終目標は、種を残すことです。もし大きな実を放置して種が完熟してしまうと、株は「もう役目は終わった」と判断して、新しい実をつけるのをやめてしまうんですね。

だから終盤は、普段より一回り小さめで収穫してください。いつも20センチくらいで採っているなら、終盤は16センチから18センチくらいで採る。ちょっともったいない気もしますが、これで株の負担がぐっと減って次の実に栄養が回ります。結果的には、トータルの収穫本数は増えるんです。小さいきゅうりは皮も柔らかくて味も濃く、浅漬けにすると最高ですよ。

収穫は朝がおすすめです。夜のあいだに水を吸って実がパリッとしています。日中の暑い時間に採ると実の温度が高くて日持ちしません。

葉っぱの陰に隠れた「取り遅れ」も要注意です。見つけたらサイズに関係なくすぐに収穫してください。1本の大きすぎる実が、株全体の勢いを止めてしまうことがあります。収穫のときは必ず株の下から上まで、葉をめくって確認する習慣をつけましょう。曲がった実や変形した実も、小さいうちに摘み取ってしまってください。どうせ形は良くなりませんし、栄養を使うだけです。

次に「つるの更新」です。この時期、支柱の一番上まで届いた親づるは、先端の勢いが弱ってきていることが多いです。花は咲くけれど実がつかない、実がついてもすぐ黄色くなって落ちる。そんな状態になっていませんか。

そうなったら、元気のいい子づるや孫づるに主役を交代させます。やり方はシンプルです。まず株全体を見て、葉の色が濃くて太くて元気なつるを探します。見つけたら、それを支柱に誘引して伸ばしてあげてください。一方で、もう実がつかなくなった古いつる、花も咲かないつる、他のつると絡まって混み合っているつるは、根元から切ってしまいます。

こうすることで、限られた栄養が元気なつるに集中します。伸ばしていく子づるは、葉を2枚残して、その先を摘むという管理をすると実に栄養が行きやすくなります。難しく考えなくて大丈夫です。「元気なつるを残して、疲れたつるを外す」。この考え方さえ持っていれば失敗しません。つるを切るときも、葉と同じで一度にやりすぎないこと。数日かけて少しずつ整理していきましょう。

[st-mybox title="お世話③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 終盤は16〜18cmの早採り。トータルの収穫本数はむしろ増える
  • 収穫は朝。取り遅れ・曲がり果は見つけ次第すぐ摘む
  • 疲れた親づるは切り、元気な子づるに主役を交代(葉2枚残して摘心)

[/st-mybox]

やりがちな失敗5つ

最後に、この時期にやりがちな失敗を5つまとめてお伝えします。

[st-step step_no="1"]葉っぱを一気に取りすぎる[/st-step] 「すっきりさせよう」と下から半分ほど取ってしまうと、株が一気に弱ってそのまま枯れることもあります。一株3〜5枚まで、数日おきに少しずつです。

[st-step step_no="2"]追肥を株元にドサッと置く[/st-step] 株元は根が集中している場所です。ここに濃い肥料が当たると根が傷んで逆効果。20〜30センチ離して撒きましょう。

[st-step step_no="3"]暑い昼間に水をやる[/st-step] 土の中の温度が急に変わって根がダメージを受けます。朝か、日が傾いてからにしてください。

[st-step step_no="4"]病気の葉を畑に放置する[/st-step] 取った葉をそのへんに置くと、雨のはね返りで菌が舞い戻ります。必ず袋に入れて処分してください。

[st-step step_no="5"]早めに諦めて片付けてしまう[/st-step] これがいちばんもったいない失敗です。葉が少し黄色くなったくらいでは、きゅうりは終わりません。生長点(つるの先端)がまだ緑色で伸びているなら、まだまだ復活できます

おまけ|秋まで楽しむ裏ワザ

最後にひとつ裏ワザを。もし「今の株はもう限界かな」と感じているなら、今から新しくきゅうりの種をまくという手があります。

きゅうりは種まきから収穫まで、だいたい50日から60日ほど。今の時期、7月の下旬から8月の上旬に種をまけば、9月から10月にかけて秋のきゅうりが収穫できます。しかも秋のきゅうりは涼しくなってから育つので、病気が出にくく、実が締まっていて味が濃いんです。個人的には、春より秋のきゅうりのほうが好きなくらいです。

種をまくときは直射日光が強すぎるので、寒冷紗などで少し日よけをしてあげると発芽が安定します。土が乾かないよう、発芽までは水を切らさないでくださいね。秋どりの種まきについては「7月がラストチャンス!秋の収穫が激変する野菜3選」でも解説しています。

今の株のお世話をしながら、次の種をまく。これで秋までずっと、きゅうりを楽しめますよ。

まとめ

それでは、今日の内容をおさらいしましょう。きゅうりの収穫を長く楽しむコツは、株の負担を減らして、新しい葉と根に働いてもらうことでした。

[st-step step_no="1"]古い葉っぱを整理する[/st-step] 黄色い葉、病気の葉、混み合った葉を取り除いて風通しと日当たりを良くする。一度に取りすぎず、晴れた日の午前中に清潔なハサミで。取った葉は袋に入れて処分します。

[st-step step_no="2"]追肥と水やりを切らさない[/st-step] 7〜10日に1回の液体肥料と、2〜3週に1回の固形肥料。株元から20〜30センチ離して撒く。水やりは朝にたっぷり、昼間は避ける。株元は敷きわらでマルチングして暑さと乾燥から根を守ります。

[st-step step_no="3"]実は早採り、つるは更新する[/st-step] いつもより一回り小さめで収穫して株の負担を減らす。取り遅れや曲がった実は見つけ次第すぐ摘む。勢いのないつるは切って、元気な子づるに主役を交代させます。

この3つをやってあげるだけで、8月、9月まで収穫が続くことも珍しくありません。「もう終わりかな」と思ったところから、あとひと月。この差は本当に大きいです。ぜひ今日か明日にでも、畑やプランターのきゅうりを見に行ってみてくださいね。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]


動画でも解説しています