[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 花が咲かないのは病気でも寿命でもなく「株が疲れているサイン」
- 花の中を見るだけでわかる「短花柱花」の見分け方
- 更新剪定が7月下旬〜8月上旬でないと間に合わない理由
- 枝を半分まで思い切って切る正しい切り方
- 本当に効くのは切ったあとの「根切り・追肥・水やり」
[/st-mybox]

春に植えたナスって、6月から7月にかけては本当によく穫れますよね。毎日のように実がついて、食べきれないくらい採れて、「ナス最高だな」って思っていたはずなんです。
ところが7月の後半に入ってくると、あれ、花が減ってきたな。あれ、実がなかなか大きくならないな。そんなふうに感じている方が多いと思います。しかも、なんとか実がついても皮が硬い、つやがない、いわゆる「ボケナス」と呼ばれる状態になってしまう。
これ、初心者の方だと「病気かな」「もうナスは終わりかな」と思って、そのまま抜いてしまう方がすごく多いんです。でも、待ってください。抜くのはまだ早いです。
[st-kaiwa2 r]花が咲かなくなって、実も大きくなりません。やっぱり病気でしょうか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]いいえ、病気でもなければ寿命でもありません。株が疲れているだけなんです。そして、その疲れを回復させる方法がちゃんとあります。それが今日のテーマ、「更新剪定」という作業です。[/st-kaiwa1]
「せっかく育った枝を切るなんてもったいない」と思うかもしれません。私も最初はそう思いました。でも、この作業をやるかやらないかで、9月以降の収穫量が本当に変わってきます。
結論:7月中に「切る・根を切る・肥料」の3点セットを

先に結論からお伝えします。ナスの花が咲かなくなったら、それは株が疲れているサインです。7月下旬から8月上旬に「枝を切り戻す・根を切る・肥料をあげる」という3つをセットでやってあげれば、9月から10月にかけて、やわらかくて美味しい秋ナスが穫れます。
ここで大事なのは、「枝を切るだけ」では意味がないということです。よく「更新剪定=枝を切ること」だと思われているんですが、本当に効くのは切ったあとのケアなんですね。
[st-step step_no="1"]花が咲かないのは株が疲れているサイン[/st-step] 花の中を見れば、疲れているかどうかが一目でわかります。
[st-step step_no="2"]7月下旬〜8月上旬に思い切って切る[/st-step] 枝を半分の長さまで切り戻します。時期を逃すと間に合いません。
[st-step step_no="3"]本当に効くのは切ったあとの根切り・追肥[/st-step] 土の中の根も疲れています。上と下、両方をリセットします。
ではなぜそうなるのか。そしてどうやるのか。ポイント1から順番に見ていきましょう。
ポイント① 花が咲かなくなるのは「株が疲れているサイン」

なぜ7月の後半になると、ナスの花が減ってしまうのか。理由はシンプルで、株が疲れているからです。
考えてみてください。ナスって、5月に植えてから7月まで、ずっと実をつけ続けているんですよね。実を大きくするというのは、植物にとってものすごくエネルギーを使う作業です。人間で言えば、2か月間、休みなしでフルマラソンを走り続けているようなものなんです。
そこに加えて、7月は梅雨が明けて一気に気温が上がります。ナスはもともと暑さに強い野菜なんですが、それでも35度を超えるような日が続くと、さすがにバテてきます。さらに土の中では根が張り切ってしまって、新しい根が伸びるスペースがなくなっている。肥料も水も吸えなくなってくる。こうして、実をつける力が落ちてくるんですね。
疲れているかどうかは「花の中」でわかる

ここで、初心者の方にぜひ覚えてほしい、すごく簡単な見分け方があります。それが「花の中を見る」という方法です。
ナスの花をよく見てみてください。花の真ん中に、細い棒みたいなものが何本か立っていますよね。この真ん中にある、いちばん太い一本が「めしべ」です。その周りを取り囲んでいる黄色いのが「おしべ」です。
元気な株のナスの花は、真ん中のめしべが、周りのおしべよりも長く飛び出しています。これを「長花柱花(ちょうかちゅうか)」といいます。この状態なら株は元気です。何もしなくて大丈夫です。
一方で、疲れている株のナスの花は、真ん中のめしべが短くて、周りのおしべに隠れてしまっています。これを「短花柱花(たんかちゅうか)」といいます。この状態になると、受粉がうまくいかないので、花が咲いても実にならずにポロッと落ちてしまうんです。
つまり、「花が落ちる」「実がつかない」というのは、花の中を見れば事前にわかるということですね。畑に行ったら、ぜひ花の中をのぞいてみてください。
[st-kaiwa2 r]花以外にも、疲れているサインはありますか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]3つあります。ひとつは葉が小さくなること。植えたばかりの頃は手のひらより大きかった葉が、だんだん小さい葉しか出てこなくなります。ふたつめは実のツヤがなくなること。くすんだ色になって皮が硬い、いわゆるボケナスです。みっつめは下の方の葉が黄色くなって落ちること。これは肥料不足のサインですよ。[/st-kaiwa1]

ちなみに、疲れているのを放置するとどうなるか。ナスは枯れはしません。しぶとい野菜なので、そのまま秋まで生きています。ただ、実はほとんどつかないか、ついても小さくて硬い実ばかりになります。9月10月にダラダラと数個穫れる程度で終わってしまう。同じ株なのに、ここで一手間かけるだけで収穫量が何倍にもなるわけですから、これは本当にもったいないんですよね。
[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 花が減るのは病気でも寿命でもなく「夏バテ(株の疲れ)」
- 花の中のめしべが短い「短花柱花」が出たら更新剪定のサイン
- 葉が小さい・実のツヤがない・下葉が黄色いも疲れのサイン
[/st-mybox]
ポイント② 更新剪定は「7月下旬〜8月上旬」に思い切って切る

まず時期です。これがいちばん大事なので、最初にお伝えします。更新剪定のベストなタイミングは、7月下旬から8月上旬。関東を基準にすると、7月の終わりごろ、遅くともお盆の前までには終わらせたい作業になります。
なぜこの時期なのか。理由は、剪定してから新しい枝が伸びて、花が咲いて、実が大きくなるまでに、だいたい1か月かかるからです。7月末に切れば、9月の頭から収穫が始まります。そこから10月いっぱいまで穫り続けられる。これが理想の形です。
逆に、8月の終わりに切ってしまうと、収穫できるのは9月末から。そのあとすぐ気温が下がってきて、ナスの生育が止まってしまいます。せっかく切ったのに、ほとんど穫れずに終わるんですね。ですので、「切ろうかな、どうしようかな」と迷っている方は、迷っている時間がもったいないです。7月中に切ってしまってください。
どこをどう切るのか

ここで覚えてほしいのは、「思い切って切る」ということです。具体的には、それぞれの枝を、全体の3分の1から2分の1くらいの長さになるまで切り戻します。つまり、今ある枝の半分くらいをバッサリ落とすイメージです。
「そんなに切って大丈夫なの?」って思いますよね。私も最初にやったときは手が震えました。でも、大丈夫です。むしろ、中途半端に切る方が失敗します。少ししか切らないと、新しい強い枝が出てこなくて、また同じように疲れた枝が伸びるだけなんです。
切るときのコツは、枝に葉を2枚から3枚残すこと。全部の葉を落としてしまうと光合成ができなくなって、株が弱ってしまいます。だから、必ず葉は残してください。

そして切る位置ですが、枝をよく見ると、葉の付け根のところに小さな芽がついています。この芽の5ミリから1センチくらい上のところで切ってください。芽ギリギリで切ると、その芽が枯れてしまうことがあります。
さらに細かいコツを言うと、外側を向いている芽の上で切るのがおすすめです。内側を向いた芽の上で切ると、新しい枝が株の内側に向かって伸びてしまって、風通しが悪くなるんですね。外向きの芽を選んで切ると、きれいに広がった株の形になります。
多くの方は3本仕立てで育てていると思います。その場合は、メインの太い枝3本をそれぞれ半分くらいの長さに切り、そこから出ている細かいわき枝は基本的にすべて切り落として大丈夫です。結果として、切り終わったあとの株はものすごくスカスカになります。「これ、枯らしちゃったんじゃないか」というくらい寂しい姿になりますが、それが正解です。
[st-kaiwa2 r]切るときに、気をつけることはありますか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]3つあります。ひとつ、ハサミは必ず消毒してから使ってください。切り口は植物にとって手術のあとみたいなもので、汚れたハサミだと病気の菌が入ります。ふたつ、晴れた日の午前中に。切り口が早く乾いてふさがります。みっつ、切った枝についている実は小さくても全部取ること。実を残すとそちらに栄養が取られて、新しい枝が伸びません。[/st-kaiwa1]
切り口をつぶさない園芸ばさみ
更新剪定はナスの太い枝を切る作業です。切れ味の良いハサミだと切り口がつぶれず、そこから傷みにくくなります。作業前にアルコールで拭いて使ってください。
[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 時期は7月下旬〜8月上旬(遅くともお盆前)。8月末では間に合わない
- 枝は全体の1/3〜1/2まで切り戻す。中途半端が一番失敗する
- 葉は2〜3枚残す・外向きの芽の5mm〜1cm上で切る・ハサミは消毒
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ポイント③ 本当に効くのは「切ったあと」の根切りと追肥

ここが今日いちばんお伝えしたいところです。多くの方が、更新剪定というと「枝を切ること」だけだと思っています。でも実は、枝を切るのは全体の半分でしかありません。
思い出してください。ナスが疲れている原因は、株の上の部分だけじゃないんです。土の中の根っこも、同じように疲れているんですね。だから、枝だけ切っても、根っこが疲れたままだと新しい枝を伸ばす力が出てきません。上と下、両方をリセットしてあげる必要があるんです。
①根切りで根を若返らせる

やり方はとても簡単で、株元から30センチくらい離れたところに、スコップを垂直にザクッと差し込むだけです。深さは20センチから30センチくらい。それを株の周り2か所から3か所、畝の両側にやってください。
「根っこを切るなんて、逆に弱らせるんじゃないの?」と思いますよね。でも、ちゃんと理由があるんです。古くなった根っこというのは、水や肥料を吸う力がほとんどありません。ここで一度スパッと切ってあげると、切り口から新しい白い根っこがどんどん伸びてきます。この新しい根が、水も肥料もぐんぐん吸ってくれる。つまり、根っこを若返らせているわけです。
株元から30センチ、という距離は必ず守ってください。近すぎると太い主根まで切ってしまって、本当に株が弱ります。「ちょっと遠いかな」と思うくらいがちょうどいいです。
②追肥で新しい根にごちそうを置く

根切りをしたら、次は肥料です。化成肥料を1株あたり一握り、だいたい30グラムから50グラム。これを、さっきスコップを差し込んだところに沿ってパラパラとまいて、軽く土と混ぜて土を寄せておきます。新しい根っこが伸びてくると、ちょうどそこに肥料がある、という状態になるんですね。タイミングとしてはこれが理想です。
化成肥料がない方は、油かすや鶏ふんなどの有機肥料でも大丈夫です。ただ、有機肥料は効き始めるまでに時間がかかるので、少し早めにあげておくといいですね。
野菜用の粒状肥料をひと袋持っておくと、この追肥にそのまま使えます。株元から離してまくだけなので、初心者の方でも失敗しません。
③たっぷり水をやる
そして最後、これも忘れないでください。水をたっぷりあげることです。肥料というのは、水に溶けないと根っこが吸えません。せっかく肥料をまいても、土がカラカラだと効きません。剪定と根切りと追肥が終わったら、株元にたっぷり、しっかり水をあげてください。
このあとも、雨が降らない日が続くようなら2日から3日に1回は水やりを。特に切ったあとの2週間は、新しい根と枝が出てくる大事な時期です。ここで水切れさせると、せっかくの作業が台無しになります。株元に敷きわらや刈った草を敷いておくと、土の乾燥と真夏の地温上昇を防げるのでおすすめです。
切ったあとの経過

ここまでやったら、あとは待つだけです。だいたい1週間から10日くらいで、切ったところのすぐ下から新しい芽がぴょこぴょこ出てきます。この新芽が出てきたら成功です。2週間もすると芽がぐんぐん伸びて葉が展開し、3週間くらいで花が咲き始めます。そして1か月後、9月の頭くらいからいよいよ収穫が始まります。
このとき穫れるナスが、本当に美味しいんです。夏の間の暑さでバテたナスと違って、秋のナスは皮がやわらかくて、実が締まっていて、しっとりしています。「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉があるくらい、味が違います。
最後に注意点をひとつだけ。新しい芽が出てきたときに勢いよく枝がたくさん出てきます。ここで欲張って全部残すと、また風通しが悪くなって同じことの繰り返しになってしまいます。各枝から2本くらい、元気のいい枝を残して、あとは早めに整理してあげてください。そうすると栄養が集中して、いい実がつきます。
なお、更新剪定の基本のやり方は「【ナス】夏バテで止まったら更新剪定!秋ナス復活の3つの作業」でも解説していますので、あわせてご覧ください。
[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 株元から30cm離してスコップを垂直に。畝の両側2〜3か所
- 化成肥料をひと握り(30〜50g)、スコップの跡に沿ってまく
- 仕上げにたっぷり水やり。切ったあと2週間は絶対に水を切らさない
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まとめ

それでは今日の内容をまとめます。
[st-step step_no="1"]花が咲かないのは株が疲れているサイン[/st-step] 花の真ん中のめしべが短い「短花柱花」が出ていたら疲れているサインです。葉が小さくなる、実のツヤがなくなるのも同じサイン。病気でも寿命でもないので、抜かないでください。
[st-step step_no="2"]7月下旬〜8月上旬に思い切って切る[/st-step] それぞれの枝を半分くらいの長さまで切り戻します。葉は2〜3枚残して、外向きの芽の少し上で。ハサミの消毒を忘れずに、晴れた日の午前中に作業しましょう。
[st-step step_no="3"]本当に効くのは切ったあと[/st-step] 株元から30センチ離してスコップを差し込む「根切り」、化成肥料ひと握りの「追肥」、最後にたっぷりの「水やり」。この3つをセットでやってはじめて更新剪定は完成します。
これをやっておけば、1か月後の9月から、やわらかくて美味しい秋ナスが10月いっぱいまで穫れ続けます。今、ナスが元気なくなってきたなという方、まだ間に合います。ぜひ今週末にでも、畑に行ってやってみてくださいね。
[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]
