[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 葉は立派なのに子芋がつかない原因は8月にあるという事実
  • 里芋がダントツで乾燥に弱い理由と、水やりの正しい量・頻度
  • 追肥と土寄せを8月前半までに終わらせる2つの理由
  • 芋が「上に向かって増える」から土寄せが効くという仕組み
  • わき芽が「栄養泥棒」になる理由と、正しい取り方

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里芋って、育て方だけ見ると、すごく簡単な野菜なんですよ。植えっぱなしでもとりあえず葉っぱは大きく育ちますし、トマトみたいに脇芽かきに追われることもない。誘引もいらない。だから「ほったらかしでいい野菜」って思っている方、けっこう多いと思うんです。

ところが、秋に掘ってみてガッカリする人が本当に多い。葉っぱはあんなに立派だったのに、掘ってみたら親芋だけがゴロンと出てきて、子芋がほとんどついていない。あるいは、子芋はついてるんだけど、ピンポン玉くらいの小さいものばかり。こういう失敗、里芋では本当によくあるんです。

そして、その原因のほとんどが、実は8月にあります。

[st-kaiwa2 r]葉っぱはあんなに茂っていたのに、なぜ芋がつかないんでしょうか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]里芋の芋が太るのは、実は8月から9月にかけてなんです。7月までは主に葉っぱと根っこを作っている時期で、地面の下ではまだ芋はほとんど大きくなっていません。8月に入って株が育ち切ったところから、ようやく本格的に芋を太らせ始めます。つまり8月は芋づくりのスタート地点。ここで手を抜くと、9月10月には取り返せないんですよ。[/st-kaiwa1]

8月にやるべき「3つの作業」

結論から言いますね。8月にやるべき作業は、次の3つです。

[st-step step_no="1"]とにかく水を切らさない[/st-step] 里芋は熱帯生まれ。水が切れた瞬間に芋の肥大が止まります。

[st-step step_no="2"]最後の追肥と土寄せを8月前半までに[/st-step] 芋は上に向かって増えるので、土が足りないと地面から顔を出してしまいます。

[st-step step_no="3"]わき芽かきと下葉の整理[/st-step] わき芽は栄養泥棒。放置するとひとつひとつの芋が小さくなります。

逆に言うと、この3つさえきっちりやっておけば、里芋は勝手に太ってくれます。難しい技術は何もいりません。それではひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

作業① とにかく水を切らさない

結論から言うと、8月の里芋は、水さえ切らさなければ半分成功したようなものです。それくらい水が大事な野菜なんです。

なぜかというと、里芋の出身地に理由があります。里芋はもともと、東南アジアの熱帯地域が原産の野菜なんですね。それも、ジャングルの中の湿った場所、川べりのような、いつも土が湿っているところで育ってきた植物なんです。日本でも昔から、田んぼの脇とか水路のそばに里芋が植えられているのをよく見かけますよね。あれは理にかなっているんです。

だから里芋は、畑の野菜の中でもダントツで乾燥に弱い。トマトなんかは逆に乾かし気味に育てたほうが甘くなりますけど、里芋は真逆です。乾かしたら終わりです。

水が足りないと、まず葉っぱが垂れます。里芋の葉は傘みたいにピンと立っているのが元気な状態ですが、水が足りなくなると葉柄がぐったり垂れ下がってきます。昼間に垂れて夕方に少し戻るくらいならまだ大丈夫。でも朝からずっと垂れっぱなしなら、かなりの水不足です。

そして地面の下では、芋の肥大がピタッと止まります。これが怖いんですよ。里芋は乾燥すると身を守るために成長を止めてしまい、一度止まるとあとから水をやってもすぐには戻りません。数日ぶん、まるまる損をすることになります。さらに乾いたり湿ったりを繰り返すと、芋の表面がデコボコになったりひび割れたりもします。

[st-kaiwa2 r]水やりは、どれくらいの量をあげればいいですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]雨が降らない日が続くなら2日か3日に1回。やるときは中途半端はダメで、一株あたりジョウロで2〜3杯、地面にしっかり染み込むまでやってください。表面がちょっと濡れたくらいでは、里芋の根には全然届いていません。時間帯は夕方がおすすめ。真昼は水がお湯になって蒸発してしまうので避けてくださいね。[/st-kaiwa1]

畑が広くて水やりが大変な方は、畝と畝のあいだの溝に水を流す「溝灌水(みぞかんすい)」という方法もあります。ホースで溝に水を流して土に染み込ませるやり方で、一株ずつやるよりずっと楽です。

そしてもうひとつ、水やりとセットでぜひやってほしいのがマルチングです。株元の地面に、刈った草・稲わら・麦わら・落ち葉、なんでもいいので敷いてください。土が直射日光に当たらないので水分が飛びにくく、地温も下がります。厚さは地面が見えなくなるくらい、5センチあれば十分。夏の草刈りで出た草をそのまま株元に敷いてしまえば一石二鳥ですね。

ここでひとつ注意点。マルチをする前に、必ず一度たっぷり水をやってください。乾いた土の上に草を敷くとフタをしたような状態になり、雨が降っても水が下まで届きにくくなることがあります。湿らせてから敷く。これを覚えておいてください。

刈り草がないときの敷きわら代わりに

草マルチ用の刈り草が手に入らないときは、こういったマルチシートが便利です。地面を覆って乾燥と地温上昇を防いでくれるので、里芋の株元にぴったりです。

[st-mybox title="作業①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 里芋は熱帯生まれ。乾燥すると芋の肥大がピタッと止まる
  • 2〜3日に1回、夕方にジョウロ2〜3杯たっぷり。真昼はNG
  • 株元に5cmの草マルチ。敷く前に必ずたっぷり水をやる

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作業② 最後の追肥と土寄せは8月前半までに

8月上旬から中旬にかけての追肥と土寄せが、里芋にとって最後の仕上げです。ここを逃すと、あとからいくら肥料をやっても、もう間に合いません。

なぜ土寄せがそんなに大事なのか。ここは里芋の芋のつき方を知ってもらうと一発で納得できます。里芋は春に植えた種芋が「親芋」になり、この親芋の周りに「子芋」がつきます。さらにその子芋の周りに「孫芋」がつく。私たちが普段食べているのは、この子芋と孫芋なんです。

ここで大事なのは、里芋の芋は、下ではなく上に向かって増えていくということです。ジャガイモとはちょっと違うんですね。親芋の上側から子芋ができて、そのまた上に孫芋ができる。だから、育つにつれてだんだん地面に近づいてきます。

そうすると何が起きるか。土が足りないと、芋が地面から顔を出してしまうんです。地面から出た芋は日に当たって緑色になります。緑化した芋は硬くて味も落ちますし、乾燥と暑さに直接さらされるのでうまく太れません。だから土寄せをするんです。上に増えていく芋に対して、上から土をかぶせて芋が育つスペースを作ってあげるイメージですね。土寄せをたっぷりした畑としていない畑では、収穫量が倍近く違うこともあります。

具体的なやり方です。まず追肥から。株から20センチから30センチくらい離れたところ、ちょうど葉っぱの先が落ちるあたりに肥料をまきます。化成肥料なら一株あたり軽くひと握り、30グラムくらいが目安です。株元にドサッとかけないでください。里芋の根っこは横に広がっていますから、少し離れたところにまいたほうがしっかり吸ってくれます。

8月の追肥に使いやすい野菜用の粒肥料

株から離してパラパラとまくだけなので、初心者の方でも失敗しません。土寄せと一緒に土に混ぜ込めば、そのまま肥料が根に届きます。

肥料をまいたら、すぐに土寄せです。畝の間の土を、クワで株元に向かって寄せていきます。これで肥料が土に混ざりますから一石二鳥ですね。土を寄せる高さは、思っているよりたっぷりでいいです。株元にこんもりと山ができるくらい、地面から10センチ以上。これまでの土寄せと合わせて株元が20センチくらいの高さになっていれば理想的です。

コツをひとつ。土が乾いてカラカラだと寄せてもすぐ崩れますし作業もしにくいです。雨の降った翌日や、水やりをした翌日にやると、土がまとまりやすくてやりやすいですよ。

[st-kaiwa2 r]どうして8月の前半までなんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]理由は2つあります。ひとつは肥料が効くまでに2〜3週間かかるから。8月後半にまいても効き始めるのは9月中頃で、そのころ里芋はもう芋を太らせ終わる時期です。もうひとつは根っこを傷めるリスク。8月後半になると根が畝の中いっぱいに広がっていて、深くクワを入れると太い根をブチブチ切ってしまいます。だから根が広がりきる前に終わらせたいんです。[/st-kaiwa1]

もし今この記事を読んでいるのが8月後半だという方。土寄せがまだなら、深く掘らずに畝の表面の土を軽くかけるだけでも効果はあります。それと追肥は液体肥料に切り替えたほうがいいです。液肥なら数日で効きますから、遅れを取り戻せます。

[st-mybox title="作業②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 里芋の芋は上に増える。土寄せしないと芋が露出して育たない
  • 追肥は株から20〜30cm離してひと握り(約30g)。株元に直接はNG
  • 土寄せは地面から10cm以上こんもりと。すべて8月前半までに

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作業③ わき芽かきと下葉の整理

8月にわき芽をそのままにしておくと、栄養が分散して、ひとつひとつの芋が小さくなります

わき芽というのは、親株の周りからニョキニョキと出てくる小さな里芋の芽のこと。これ、実は子芋から出てきた芽なんですね。子芋も里芋ですから、条件がそろえば芽を出して葉っぱを広げようとするわけです。

一見すると葉っぱが増えて元気そうに見えます。でも、子芋が芽を出して葉を広げるということは、その子芋は自分の栄養を、芽と葉っぱを作るほうに使っているということです。本来なら、その栄養は芋を太らせるために蓄えておくべきもの。つまり貯金を切り崩して使ってしまっている状態なんですね。しかもわき芽が伸びると株全体が混み合って風通しが悪くなり、病気も出やすくなります。

やり方は簡単です。株元から出ている小さな芽を、根元をつかんで、横に倒すようにねじりながら引っ張ります。まっすぐ上に引っ張ると途中でちぎれたり親株ごとグラついたりするので、横に倒す感じでやるのがコツです。

タイミングは芽が小さいうちほどいいです。20センチ、30センチくらいまでの、まだ葉っぱが開ききっていない状態のときに取ってしまう。大きく育ってから取ると株へのダメージも大きくなりますし、そこまでに使われた栄養が全部無駄になってしまいます。

なお、品種によってはわき芽をあまり取らなくてもいい場合があります。八つ頭のように親芋も子芋もまとめて食べる品種ですね。ただ、家庭菜園でよく作られている土垂(どだれ)や石川早生といった子芋を食べる品種の場合は、わき芽はしっかりかいたほうが大きくて数のそろった芋が採れます。迷ったら取ってしまって大丈夫です。

そしてもうひとつ、下葉の整理です。8月にもなると株元の古い葉が黄色くなったり茶色く枯れてきたりします。この葉はもう光合成をほとんどしていない、役目を終えた葉っぱ。葉柄の根元から切り取ってしまいましょう。株元がジメジメして風が通らないと病気が出やすくなりますし、すっきりさせると株元に光と風が入って健康な状態を保てます。わき芽も見つけやすくなり、土寄せもやりやすくなりますよ。

ただし取りすぎには注意。緑色の元気な葉っぱは、芋を太らせるための工場です。取るのは黄色くなった葉、茶色くなった葉、明らかに元気のない下のほうの葉だけにしてください。

[st-kaiwa2 r]この時期、虫にも気をつけたほうがいいですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]はい。8月の里芋にはハスモンヨトウやセスジスズメといった蛾の幼虫がよくつきます。食欲がものすごくて、一晩で葉脈だけ残して全部食べられてしまうこともあるんです。葉に大きな穴が開いていたり、黒いフンが落ちていたら必ず近くにいます。下葉の整理をするときに、ついでに葉の裏をチェックする習慣をつけておくと、被害が広がる前に対処できますよ。[/st-kaiwa1]

なお、里芋の夏の管理全般については「里芋を大豊作にする夏の3つの神作業」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

[st-mybox title="作業③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • わき芽は子芋の貯金を使う「栄養泥棒」。20〜30cmの小さいうちに
  • 取り方は根元をつかんで横に倒すようにねじる。上に引っ張らない
  • 黄色い下葉だけ整理して風通しUP。ついでに葉裏の害虫チェック

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まとめ

それでは、今日の内容をおさらいします。

[st-step step_no="1"]水を切らさない[/st-step] 里芋は熱帯生まれで乾燥に弱い野菜です。2〜3日に1回、夕方にたっぷり水をやって、株元には刈った草を敷いておく。8月に水を切らすと、それだけで芋の肥大が止まります。

[st-step step_no="2"]最後の追肥と土寄せを8月前半までに[/st-step] 里芋の芋は上に向かって増えるので、土寄せをしないと芋が地面から顔を出して育ちません。株から少し離してひと握りの肥料、そして株元にこんもりと土を寄せる。

[st-step step_no="3"]わき芽かきと下葉の整理[/st-step] わき芽は芋の栄養を横取りします。小さいうちにねじって取る。黄色くなった下葉は切って風通しをよくして、ついでに害虫のチェックも。

どれもそんなに難しい作業じゃないですよね。特別な道具もいりませんし、時間もそれほどかかりません。でも、やるかやらないかで秋の収穫は本当に変わります

私も昔、里芋をほったらかしにしていた年がありました。葉っぱは背丈ほどに茂って、それはもう見事だったんです。「これは大豊作だぞ」なんて思っていたんですけど、11月に掘ってみたら出てきたのは親芋ばかり。子芋は小さいのが数個だけ。あのときのガッカリ感は、今でも覚えています。

地上の葉っぱがどれだけ立派でも、それが芋につながっているとは限らないんですよね。土の中は見えませんから、つい油断してしまう。だからこそ、この8月の作業が大事なんです。

暑い時期の畑仕事は本当にきついです。無理はしないでください。朝の涼しいうちか、夕方の日が傾いてからにして、水分をしっかり取りながら少しずつやっていきましょう。全部を一日でやろうとしなくて大丈夫です。今日は水やりとマルチだけ、次の休みに追肥と土寄せ、その次にわき芽かき。それくらいのペースでも十分間に合います。

秋になってクワを入れたときに、ゴロゴロと大きな子芋が土から出てくる。あの瞬間は本当に嬉しいものです。掘りたての里芋で作る煮っころがしや豚汁は、市販のものとは全然違います。ぜひその感動を味わってくださいね。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]


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