[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- サツマイモの夏管理でやることはたったの3つだけでいい理由
- 害虫チェックは2〜3週間に1回でOKな理由と、探すべき虫のサイン
- 治療法がない「基腐病」を出さないための予防と、見つけたときの対処
- イモの太りを左右する「つる返し」のやり方とタイミング
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私はよく、サツマイモの夏管理について「これだけやっておけば大丈夫」という3つのポイントを聞かれます。今日はそれを、初心者の方にもわかるようにじっくり解説していきます。
結論からお伝えすると、サツマイモの夏の管理でやるべきことは、たったの3つです。ひとつ目が、2〜3週間に1回の害虫チェック。ふたつ目が、基腐病(もとぐされびょう)を出さないための予防。そして3つ目が、7日から10日に1回のつる返しです。この3つだけです。
[st-kaiwa2 r]え、たったの3つでいいんですか?もっと大変なイメージがありました[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]はい、サツマイモはそもそもものすごく手のかからない野菜なんです。トマトのように毎日わき芽を取る必要もありませんし、ナスのように追肥のタイミングで悩むこともありません。むしろサツマイモは、肥料をあげすぎると失敗する野菜なんですよ。[/st-kaiwa1]
水やりも、植え付け直後を除けば基本的に必要ありません。放っておいても育ってくれます。じゃあ何もしなくていいのかというと、そうではないんですね。放置しているうちに、気づかないところで進行してしまうことが3つある。それが害虫、病気、そしてつるの伸びすぎです。この3つだけは、人の目で見て、人の手で対処しないと止まりません。
ここを勘違いして、毎日水をあげたり、元気がないからと肥料を足したりすると、かえって「つるぼけ」といって、葉っぱばかり茂ってイモが太らない状態になってしまいます。サツマイモは、頑張りすぎないことが上手に育てるコツなんです。
それでは、ひとつ目のポイントから見ていきましょう。
ポイント① 害虫を2〜3週間に1回のペースで確認する

ひとつ目のポイントは、害虫を2〜3週間に1回のペースで確認する、ということです。毎日見る必要はありません。逆に、まったく見ないのもよくない。畑を見回るタイミングを作って、葉っぱの様子をチェックする。これがちょうどいいペースです。
なぜ2〜3週間に1回でいいのか。理由は、サツマイモは葉を少し食べられても収穫にほとんど影響しないからです。私たちが食べるのは地面の下のイモですよね。葉っぱは光合成をしてイモに栄養を送るための工場です。工場の壁が少し欠けたくらいでは、生産量は落ちません。実際、葉が虫食いだらけのように見えても、掘ってみたら立派なイモが並んでいる、ということはよくあります。
ただし、これが「大量発生」に変わったときだけは話が別です。葉っぱが軒並み食べつくされて畑全体が茎だけになってしまうと、栄養を送る工場そのものがなくなり、イモは太れません。そして虫というのは、少ないうちは静かに増えて、あるタイミングから急に爆発します。特に真夏は世代交代が早いので、1〜2週間で状況が変わることがあるんですね。
[st-kaiwa2 r]具体的には、どんな虫を探せばいいんですか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]代表的なのが2つです。ひとつはイモコガ。葉を糸で綴じて、くるっと巻いてしまう小さなガの幼虫です。葉っぱが折りたたまれたように、あるいは筒状にくるまっているものを見つけたら、それが仕業です。もうひとつはハスモンヨトウ。卵が数百個まとまって産みつけられ、孵化したばかりの幼虫が集まって1枚の葉を裏側から食べます。すると、その葉が葉脈だけを残して白い網目のようになる。これが一番わかりやすいサインです。[/st-kaiwa1]
対処はどちらもとても簡単で、巻かれている葉や網目状になった葉を、そのまま葉ごと摘み取って畑の外で処分するだけです。特にハスモンヨトウは、幼虫がまだ集団でいるうちなら、その葉1枚を取り除くだけで数百匹をまとめて処理できます。ここを見逃して幼虫が育って畑に散らばってしまうと、あとから探して1匹ずつ捕まえるのは大変です。
見回りのコツは、葉の表だけでなく裏側をめくって見ることです。虫の多くは葉の裏にいます。それから、地面や葉の上に黒い粒(虫の糞)が落ちていたら、その近くに必ず虫がいます。数が多くて手で取りきれない場合は、幼虫が小さいうちに薬剤を使う判断もありです。

もしもの大量発生に備えて、速効性のある家庭菜園用のスプレーを1本常備しておくと安心です。
[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 見回りは2〜3週間に1回でOK。葉の少しの虫食いは気にしなくていい
- 探すのは「巻かれた葉(イモコガ)」と「網目状の葉(ハスモンヨトウ)」
- 見つけたら葉ごと摘み取って畑の外へ。裏側チェックと黒い糞が手がかり
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ポイント② サツマイモ基腐病に注意する

ふたつ目のポイントは、サツマイモ基腐病に注意する、ということです。そして、この病気について一番大事な結論をお伝えします。基腐病は、治す方法がありません。だから、やることは「予防」と「見つけたら畑から持ち出す」の2つだけです。
なぜ予防しかないのか。基腐病はカビの仲間、糸状菌が原因の病気です。この菌が茎の根元(株元)から入り込んで、そこから腐らせていきます。人間の薬のように、感染したあとに飲んで治す、というものが存在しないんですね。
しかも、この病気が広がる時期が、まさに今、6月から8月の高温多湿な時期です。気温が高くて雨が多い、菌にとって最高の環境が夏なんです。雨が降ると泥が跳ねて菌が隣の株に飛び、1株から2株、2株から4株とじわじわ広がっていきます。さらに厄介なのは、基腐病は収穫したあとにも被害が出ることです。畑では気づかない程度の感染だったイモが、貯蔵している間に腐り出す。だから、畑の段階で止めておくことに意味があるんですね。
[st-kaiwa2 r]どんな症状が出たら、基腐病を疑えばいいですか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]見るべきサインは4つです。①株元や茎が黒っぽく変色する(一番わかりやすいサイン)。②葉が黄色くなる(他の株は緑なのに1株だけ)。③株の一部が急にしおれる(水切れでもないのに)。④株元から腐っていく。このうちどれかを見つけたら、迷わずその株を抜き取って、畑の外に持ち出してください。[/st-kaiwa1]
ここで絶対にやってはいけないのが、抜いた株を畑の隅に置いておくこと、畑に埋めること、そして未熟な堆肥に混ぜることです。菌は残った植物のカスの中で生き続けます。畑に置いておくということは、来年の分の菌を自分で保管しているのと同じです。必ず、袋に入れて畑の外で処分してください。

予防のほうも見ていきましょう。まず苗です。基腐病は、感染した苗や種イモから持ち込まれることが非常に多い病気です。信頼できるところから健全な苗を買う。前の年に病気が出た畑のつる苗は使わないでください。次に水はけ。菌は湿った状態が大好きなので、雨のあと水がたまって引かないような畑は要注意です。それから連作を避けること。同じ場所でサツマイモを毎年つくり続けると、土の中に菌がたまっていきます。
そして地味ですが効果があるのが、道具の管理です。ハサミやスコップ、長靴の泥に菌がついて、健全な区画に運んでしまうことがあります。病気が出た株を扱ったあとは、道具を洗う。作業のたびに使い捨ての手袋に替えるのも、株から株への感染を防ぐシンプルで確実な方法です。
最後にもうひとつ。これから話す3つ目のポイント、つる返しも、実は基腐病の予防につながっています。つるを持ち上げることで株元の風通しがよくなり、湿気がこもりにくくなるからです。ひとつの作業がふたつの効果を持つ、というのは家庭菜園ではよくあることですね。
[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- 基腐病は治療法なし。「出さない予防」と「見つけたら即持ち出す」が全て
- サイン4つ:株元の黒変・葉の黄化・急なしおれ・株元の腐り
- 抜いた株は畑に放置・埋める・堆肥化NG。必ず袋で畑の外へ処分
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ポイント③ つる返しでつるぼけを防ぐ

3つ目のポイントはつる返しです。7日から10日に1回、または伸びているのに気づいたときに、つるを持ち上げて裏返す。これでイモの太りがよくなります。
なぜつる返しをするのか。サツマイモのつるは地面を這うように伸びていきます。このとき、つるの節(葉の付け根)のあたりから、地面に向かって細い根(不定根)を出すんです。問題は、この不定根が「余計な口」になってしまうこと。本来、株はひとつの根から水と栄養を吸って、その栄養を株元のイモに集中させます。ところがつるの節から次々に根が出ると、そこからも水や栄養を吸えるようになり、株は「あちこちから栄養が入ってくるぞ、じゃあどんどん葉を茂らせよう」と判断して、地上部を優先して成長させてしまいます。
結果として、葉っぱとつるは見事に茂っているのに、掘ってみたら細いイモしか入っていない。これが「つるぼけ」と呼ばれる状態です。家庭菜園でサツマイモが失敗する原因の、かなり大きな部分がこれなんですね。つる返しは、この不定根を切って、栄養の流れを株元のイモ1本に戻してあげる作業です。
[st-kaiwa2 r]具体的には、どうやってつる返しをすればいいんですか?[/st-kaiwa2 r]
[st-kaiwa1]株元の近くではなく、伸びていったつるの先のほう、中間あたりを両手で優しく持ち上げます。力を入れて引っ張るのはNGです。茎が折れたり株元が傷ついたりすると、その傷口が基腐病の菌の入口になってしまいます。持ち上げると細い根が抵抗を感じながら外れていくので、それを株元のほうに向かってふわっと折り返して置いてあげてください。[/st-kaiwa1]
作業のタイミングとしては、雨の直後は避けたほうが無難です。土が濡れているときは泥が跳ねて菌が広がりやすく、土も踏み固まりやすいからです。晴れた日の、少し土が乾いているときがおすすめ。真夏の日中は人間側が危ないので、朝の涼しい時間帯に行いましょう。
やりすぎにも注意です。毎日つるを持ち上げると葉が傷ついて光合成の効率が落ちます。7日から10日に1回という目安を守ってください。なお、黒いマルチを張って栽培している場合は、つるが地面に直接触れにくいので不定根も出にくくなります。この場合はつる返しの頻度を減らして、畝からはみ出したつるだけ畝の上に戻す程度で十分です。

最後に、つる返しとあわせて絶対に守ってほしいことをお伝えします。この時期、葉の色がうすいからといって追肥をしないでください。特に窒素肥料はつるぼけを一気に加速させます。せっかくつる返しをしても、肥料を足したら意味がなくなってしまいます。水やりも同じで、よほど何週間も雨がない極端な乾燥でなければ、あげなくて大丈夫です。サツマイモは、乾いた土のほうがイモに栄養を貯めようとします。
[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]
- つる返しは7〜10日に1回。つるを優しく持ち上げて株元側に折り返す
- 節から出た不定根を切って、栄養をイモ1本に集中させる仕組み
- この時期の追肥・水やりはしない。窒素肥料はつるぼけを加速させる
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まとめ

それでは、今日の内容をおさらいします。
[st-step step_no="1"]害虫を2〜3週間に1回確認する[/st-step] 葉の裏をめくって、巻かれた葉(イモコガ)と網目状になった葉(ハスモンヨトウ)を探す。見つけたら葉ごと取って畑の外へ。少しの虫食いは気にしなくて大丈夫です。
[st-step step_no="2"]基腐病に注意する[/st-step] 株元の黒い変色・葉の黄化・急なしおれ・株元の腐り。この4つのサインを見たら、その株を抜いて畑の外で処分する。治す薬はないので、持ち込まない、広げないが基本です。
[st-step step_no="3"]つる返しを7〜10日に1回[/st-step] 優しく持ち上げて、株元側に寄せる。節から出た不定根を切って、栄養をイモに集中させる。そして、この時期の追肥と水やりはしない。
サツマイモは、手をかけすぎない野菜です。やることを3つに絞って、あとは秋の収穫を楽しみに待ちましょう。虫食いの葉を見て不安になる必要はありません。土の下では、ちゃんとイモが育っています。
[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]
