[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 摘心をしないと実が小さく・味が薄くなる本当の理由
  • 摘心のベストタイミングは「支柱の高さ」と「花房5〜7段」
  • 切る位置は一番上の花房の上に葉を2枚残す
  • 摘心後にやるべき3つの管理と、初心者がやりがちな失敗

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今日はこの時期のミニトマトで、多くの方がやらずに損をしている作業についてお話ししていきます。その作業というのが「摘心(てきしん)」です。

摘心という言葉、聞いたことはあるけれど、なんとなく難しそうでやっていない。あるいは、いつ切ればいいのか分からないから、とりあえずそのまま伸ばしている。そういう方、本当に多いんです。実際、私も家庭菜園を始めたばかりの頃は、伸びるものは伸ばしておけばいいと思っていました。背が高くなればなるほど、実もたくさん採れるような気がしていたんですね。

でも、これが大きな勘違いでした。

[st-kaiwa2 r]伸ばしておけば、実もたくさん採れるんじゃないんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]残念ながら逆なんです。ミニトマトは摘心をしないと、後半に採れる実がどんどん小さくなって、味も薄くなって、結果的に収穫量が落ちます。放っておけば採れ続けるというのは、実は間違いなんですよ。[/st-kaiwa1]

なぜそうなるのか。いつ、どこを切ればいいのか。そして切ったあと、何をすればいいのか。今日はそのすべてを3つのポイントに分けて、初めての方にも分かるように、ゆっくり丁寧にお話ししていきます。

ポイント① 摘心をしないと、なぜ収穫量が減るのか

そもそも摘心というのは、伸びていく主枝の先端、一番上の成長点をハサミで切ってしまう作業のことです。とてもシンプルな作業なんですが、これをやるかやらないかで、後半の収穫がまるで違ってきます。

結論から言うと、摘心をする理由は「株の体力を、実の方に集中させるため」です。

ミニトマトという植物は、放っておくと、とにかく上へ上へと伸び続ける性質を持っています。原産地が南米の高地で、本来はつる性に近い性質の植物なんですね。日本の畑やプランターに植えても、その性質は変わりません。支柱の高さを超えても、まだ伸びようとします。2メートル、3メートル、条件が良ければもっと伸びていきます。

[st-kaiwa2 r]その伸びるためのエネルギーは、どこから来ているんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]根っこが吸い上げた水分と養分、そして葉っぱが光合成でつくった栄養分です。つまり株全体でつくった栄養を、先端を伸ばすことにたくさん使ってしまっているわけです。株がつくれる栄養の量は無限ではありません。その限られた栄養を、先端を伸ばすことに使うのか、実を大きく甘くすることに使うのか。この取り合いになっているんです。[/st-kaiwa1]

摘心をしないと、この取り合いで先端が勝ってしまいます。その結果、下の方についている実に回る栄養が減ってしまうんですね。実際に何が起こるか、4つ挙げてみましょう。

[st-step step_no="1"]実が小さくなる[/st-step] 最初の1段目、2段目の実は大きくて美味しかったのに、4段目、5段目あたりから明らかに粒が小さくなってくる。心当たりのある方、多いのではないでしょうか。

[st-step step_no="2"]味が薄くなる[/st-step] ミニトマトの甘みは、実に糖分がしっかり送り込まれることで生まれます。栄養が先端に取られていると、実に送り込まれる糖分も減ってしまう。見た目は赤いのに、食べると水っぽい実が増えてきます。

[st-step step_no="3"]色づきが遅くなる[/st-step] 株が疲れてくると着色にも時間がかかります。赤くなるまで待っている間に次の実が熟していくので、収穫のタイミングもつかみにくくなります。

[st-step step_no="4"]管理そのものが難しくなる[/st-step] 背丈が2メートルを超えると手が届きません。葉が茂りすぎて風通しが悪くなり、病気や害虫も出やすくなる。さらに上が重くなるので、台風や強い風で株ごと倒れるリスクも高くなります。

支柱の高さを超えて伸びた枝が風でぐらぐら揺れると、根っこも一緒に動いてしまいます。根が動くと細い根が切れて、水や養分の吸収力が落ちます。そうするとまた実が小さくなる。悪循環ですね。

つまり摘心をしないというのは、放任して自由に伸ばしてあげているようでいて、実は株にとっても、育てている私たちにとっても、良いことがひとつもないんです。

逆に摘心をすると、上に伸びるという行き先を失った栄養が、残っている実の方に一気に回り始めます。これが摘心の一番の効果です。摘心のあとに実が急に大きくなった、色づきが良くなった、甘くなった。そう感じる方が多いのは、この栄養の流れが変わるからなんですね。

[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 摘心は「株の体力を、実の方に集中させる」ための作業
  • しないと実が小さく・味が薄く・色づきも遅くなる
  • 背が高くなりすぎると管理も大変になり、風で倒れるリスクも上がる

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ポイント② 摘心のベストタイミングと、切る位置

必要性が分かったところで、実際にいつ、どこを切ればいいのかという話です。

結論から言うと、タイミングは「支柱の一番上まで伸びたとき」、目安としては「花房が5段から7段ついた頃」。切る位置は「一番上の花房の、さらに上に葉っぱを2枚残して、その先を切る」。これが基本になります。

タイミングは「支柱の高さ」が一番わかりやすい

家庭菜園でミニトマトを育てている方の多くは、1メートル80センチくらいの支柱を使っていると思います。プランターならもう少し短いかもしれません。判断はシンプルで、株の先端が支柱の一番上に届いたら、そこが摘心のタイミングです。

なぜこれが分かりやすいかというと、支柱の高さというのは、そのまま「自分が無理なく管理できる高さ」だからです。支柱を超えて伸びた部分は支えるものがありませんから、結局は倒れるか垂れ下がるか、どちらかになります。自分の手が届いて、しっかり支えられる範囲でおさめる。これが家庭菜園では一番現実的です。

もうひとつの目安が花房の段数です。ミニトマトは主枝に沿って花の房が段々についていきます。家庭菜園の場合、5段から7段くらいついたところで摘心するのが一般的です。ミニトマトは大玉トマトより実つきが良いので、7段くらいまで狙ってもいいですね。

[st-kaiwa2 r]株の勢いが良い場合は、もっと伸ばしてもいいですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]はい。葉の色も濃くてまだまだ元気そうであれば、少し多めに段数を取ってもかまいません。逆に株が細かったり、葉の色が薄かったり、下葉が枯れ始めていたりする場合は、早めに摘心して今ついている実に集中させた方が良い結果になります。数字はあくまで目安。株の様子を見て判断する、これが一番大事なところです。[/st-kaiwa1]

時期の目安としては、地域や植え付け時期によって前後しますが、7月の下旬から8月の上旬にかけて摘心する方が多いです。というのも、この時期を過ぎると気温が上がりすぎて、ミニトマトの花が受粉しにくくなるんですね。ミニトマトはだいたい30度を超えると花粉の働きが悪くなって、実がつきにくくなります。つまり真夏に新しく咲いた花は、そもそも実になりにくい。だったら実になりにくい花のために栄養を使うより、今ついている実を大きく甘くすることに使った方がいい。これが夏の摘心の考え方です。

切る位置は「葉を2枚残す」

ここが一番大事なところです。一番上の花房を見つけてください。その花房のすぐ上を切るのではありません。花房の上に出ている葉っぱを、2枚残して、その先を切ります。

なぜ葉っぱを2枚残すのか。理由は2つあります。

ひとつ目は、その葉っぱが一番上の花房に栄養を送るためです。トマトの実は、その実のすぐ近くにある葉っぱがつくった栄養を優先的に受け取ります。一番上の花房の上に葉っぱが1枚も無いと、その花房の実だけが栄養不足になって、小さいまま終わってしまうことがあるんです。

ふたつ目は、切り口を守るためです。葉っぱが上にあると切り口が直射日光に当たりにくくなります。真夏の直射日光は本当に強くて、切り口が焼けてしまったり、そこから乾燥が進んで枯れ込んだりすることがあります。葉っぱがちょっとした日よけになってくれるわけですね。

作業をする日は晴れた日の午前中を選んでください。切り口が早く乾くからです。雨の日や雨が降りそうな日に切ると切り口が濡れた状態が長く続き、そこから病原菌が入りやすくなります。トマトは疫病やかいよう病といった病気にかかりやすい野菜ですから、切り口の管理は本当に大切です。

使う道具は清潔なハサミにしてください。土がついたままのハサミ、他の株を切ったばかりのハサミは避けましょう。太い茎ですので手で折るのは難しいと思います。よく切れるハサミでスパッと一回で切る。何度も切り直すと切り口がつぶれて、傷が治りにくくなります。

[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • タイミングは「支柱の一番上に届いたとき」または「花房5〜7段」
  • 時期は7月下旬〜8月上旬。30度超で花粉の働きが落ちるため
  • 切る位置は一番上の花房の上に葉を2枚残して。晴れた日の午前中に清潔なハサミで

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ポイント③ 摘心のあとの管理と、よくある失敗

実は摘心って、切って終わりではありません。切ったあとの管理で、収穫量がさらに変わってきます。やるべきことは3つ。「脇芽をこまめに取る」「追肥を止めない」「水切れを起こさせない」です。

①脇芽をこまめに取る

摘心をすると、株はどうにかして伸びようとします。先端を切られたので、今度は脇芽から新しい枝を伸ばそうとするんですね。これは植物として当然の反応です。

ですから摘心のあとは、それまで以上に脇芽が勢いよく出てきます。ここで気を抜いて放っておくと、せっかく摘心した意味がなくなってしまいます。栄養がまた新しい枝に流れていってしまうからです。

2日から3日に一度、株を見回って、葉の付け根から出ている小さな芽を見つけたら取ってください。小さいうちであれば指でつまんでポキッと横に折るだけで取れます。大きくなってからハサミで切ると傷が大きくなって病気の入り口になりますので、とにかく小さいうちに、こまめに。これが鉄則です。

②追肥を止めない

摘心をすると、もう成長は終わりだと思って肥料をあげるのをやめてしまう方がいます。これ、もったいないです。摘心をしたあとも、ついている実はどんどん大きくなりますし、色づいていきます。実を太らせて甘くしていくには栄養が必要なんです。

目安としては2週間から3週間に一度。株元から少し離した場所に化成肥料をひとつまみ程度パラパラとまいて、軽く土と混ぜて水をあげる。この繰り返しでかまいません。

[st-kaiwa2 r]どんな肥料を選べばいいですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]あげすぎには注意してください。特に窒素分の多い肥料をたくさんあげると、また葉っぱばかりが茂ってしまいます。実を甘くしたいのであれば、カリ分の入った肥料や、トマト専用の肥料を使うと管理しやすいですよ。[/st-kaiwa1]

③水切れを起こさせない

これは特にプランター栽培の方に気をつけていただきたい点です。摘心をする時期は、ちょうど一年で一番暑い時期。プランターの土は朝たっぷり水をあげても、夕方にはカラカラになっていることがあります。

トマトは水を控えると甘くなる、という話を聞いたことがある方も多いと思います。これは半分は正しいのですが、家庭菜園でやりすぎると危険です。極端に水を切ると、実が割れたり、お尻の部分が黒くなる尻腐れという症状が出たりします。

暑い時期は朝しっかり水をあげる。これを基本にしてください。夕方に土が乾いていて葉っぱがしおれているようであれば、もう一度あげてかまいません。株元にワラや刈った草を敷いておくと土の乾燥をかなり防げますので、これもおすすめです。

よくある失敗3つ

失敗① 摘心が早すぎる。まだ花房が3段しかついていないのに、背が高くなってきたからと切ってしまう。当然ですが収穫できる実の数が減ります。摘心はあくまで、十分に実がついた状態でやる仕上げの作業です。

失敗② 花房のすぐ上でバッサリ切る。葉っぱを2枚残さないと一番上の実に栄養が届きにくくなりますし、切り口も傷みやすくなります。切る前に必ず「この花房の上に葉っぱが2枚あるか」を確認してください。

失敗③ 摘心したあとに放置する。これが一番多いかもしれません。摘心という大きな作業をやり終えた達成感で、そのあとの脇芽かきや追肥、水やりが疎かになる。でも実際には摘心のあとの1ヶ月こそが、収穫の本番なんです。

[st-kaiwa2 r]どうしても摘心したくない場合は、どうすればいいですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]その場合は「つる下ろし」という方法があります。支柱への誘引をいったん外して、茎を下にずらしてまた誘引し直す。こうすると株の高さを抑えたまま上に伸ばし続けられます。ただ、茎を折らないように扱う必要がありますし下葉の整理も必要なので、正直、初心者の方にはハードルが高いです。1株2株育てている方であれば、素直に摘心をして今ついている実を大切に育てる方が満足度は高いと思いますよ。[/st-kaiwa1]

[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 脇芽は2〜3日に一度、小さいうちに指で折って取る
  • 追肥は2〜3週間に一度。窒素過多に注意し、カリ分やトマト専用肥料を
  • 暑い時期は朝しっかり水やり。極端な水切れは実割れ・尻腐れの原因

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まとめ

それでは、今日の内容をおさらいします。

[st-step step_no="1"]摘心をしないと収穫量が減る[/st-step] 栄養が先端の成長に取られてしまい、実が小さく、味も薄くなります。さらに背が高くなりすぎて管理も大変になり、風で倒れるリスクも上がります。摘心は、株の体力を実に集中させるための作業です。

[st-step step_no="2"]タイミングと切る位置[/st-step] 支柱の一番上まで伸びたとき、または花房が5〜7段ついた頃。時期は7月下旬から8月上旬。切る位置は一番上の花房の上に葉っぱを2枚残して、その先を切る。晴れた日の午前中に、清潔なハサミで。

[st-step step_no="3"]摘心後の管理[/st-step] 脇芽をこまめに取ること、追肥を止めないこと、水切れを起こさせないこと。そして早すぎる摘心、葉を残さずに切ること、切ったあとの放置。この3つの失敗には気をつけてください。

摘心って、初めてやるときは本当に勇気がいります。元気に伸びている先端をハサミで切るわけですから、かわいそうな気がするんですよね。私も最初は手が止まりました。

でも、これは株を弱らせる作業ではなくて、株が持っている力を、一番いいところに集中させてあげる作業です。切ったあと、実がぐんと大きくなってしっかり甘くなっていくのを見ると、やって良かったと必ず思えるはずです。

まだ摘心していないという方、この記事を読み終えたら、ぜひ畑やプランターに行って、株の高さと花房の段数を確認してみてください。もう支柱の高さまで来ているようなら、今日が絶好のタイミングですよ。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]


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