[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 日中のしおれは正常。本当に水が足りないサインの見分け方
  • 水やりは1週間に1回・夕方・通路にたっぷりが鉄則
  • 水をやるより効く「土の表面を守る」3つの方法
  • 乾燥時に絶対やってはいけない3つの作業

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今日のテーマは、さつまいもの8月の管理です。特に「雨がぜんぜん降らない」「畑がカラカラに乾いている」というときに、さつまいもを枯らさないための注意点を3つのポイントに分けてお話ししていきます。

まず結論から言います。さつまいもは、基本的に水やりをしなくても育つ、とても乾燥に強い野菜です。だから、雨が降らないからといって毎日せっせと水をあげる必要はありません。むしろ、水のあげすぎのほうが失敗します。

[st-kaiwa2 r]えっ、雨が降らないのに水をあげちゃダメなんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]基本はそうなんです。ただし例外があります。それが今年のように何週間も雨が降らない、極端な干ばつのとき。この場合だけは「見極めて」「タイミングを絞って」「まとめて水をあげる」。この3つができるかどうかで、秋の収穫量が大きく変わってきますよ。[/st-kaiwa1]

なぜかというと、8月から9月というのは、さつまいもにとっていもがぐんぐん太っていく「肥大期」だからです。葉っぱが光合成でつくった栄養を地面の下のいもに送り込んでいる、まさに稼ぎどきの時期。ここで土がカラカラに乾いてしまうと、いもの成長がピタッと止まってしまいます。

しかも、いもの肥大が止まると、掘ってみたときに「小さいのばっかり」「数はあるけど細い」という、いちばんがっかりするパターンになってしまうんですね。逆に言うと、8月の乾燥対策さえきちんとやっておけば、10月に掘ったときにゴロゴロっと大きないもが出てくる。それくらい、この1ヶ月の管理は大事なんです。

その前に:なぜさつまいもは乾燥に強いのか

3つのポイントに入る前に、前提として知っておいてほしいことがあります。ここを分かっておくと、水やりの判断がぐっと楽になります。

さつまいもは、もともと中南米の、雨が少なくて土地も痩せた場所で育ってきた作物です。日本には江戸時代に伝わって、飢饉のときに人々を救った、いわゆる「救荒作物」として広まりました。つまり、条件の悪いところでもちゃんと育つ、というのが最大の持ち味なんです。

根っこの張り方も特徴的で、さつまいもの根は地中の深いところまでぐんぐん伸びていきます。だから表面の土が乾いていても、地下の水分を自分で探して吸い上げることができる。これが、水やりなしでも育つ理由です。

そしてもうひとつ。さつまいもは肥料も水も「たっぷりあると、かえって困る」という性質を持っています。水分と窒素が多いと、葉っぱとつるばかりが元気になって、地面の下のいもが太らない。これがいわゆる「つるボケ」です。葉っぱは畑いっぱいに広がって見た目はすごく立派なのに、掘ってみたらいもがほとんどできていない。一度は経験があるかもしれません。

ですから、さつまいもの管理の基本は「甘やかさない」ことです。ちょっと足りないくらいが、実はちょうどいいんですね。

ポイント① 水やりは「サイン」を見てから。1週間に1回、夕方にたっぷり

まず1つ目のポイントは、水やりの判断基準と正しいあげ方です。結論から言うと、水をあげるかどうかは「朝の葉っぱの状態」で判断してください。

さつまいもの葉っぱは、真夏の日中になるとしおれてぐったりすることがあります。これを見て「大変だ、水が足りない」と慌てて水をやってしまう方が多いんですが、実はこれ、正常な反応です。

植物は強い日差しを浴びると、体から水分が逃げていくのを防ぐために、わざと葉っぱを垂れさせて太陽に当たる面積を小さくします。人間でいえば、暑いときに日陰でじっとしているのと同じ。これは「水が足りない」のサインではなくて、「暑さから身を守っている」サインなんです。

[st-kaiwa2 r]では、本当に水が足りないときはどうやって見分けるんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]ここで見るのがです。涼しい時間帯に畑に行って、葉っぱがシャキッと立ち上がっていれば心配ありません。夜のあいだに水分を吸い戻せている証拠です。ところが朝になっても葉っぱがしおれたまま、垂れ下がったまま。これが本当に水が足りていないサインですよ。[/st-kaiwa1]

もうひとつ、確かめる方法があります。畝のわきの土を、手やスコップで5センチから10センチほど掘ってみてください。掘った土を握ってみて、パラパラと崩れてまったく湿り気を感じない。表面から10センチ下まで完全に乾いているようなら、これはかなり深刻な乾燥です。

逆に、表面はカラカラでも少し掘ると湿っている。この状態ならまだ水やりは不要です。さつまいもの根はもっと深くまで届いていますから、慌てなくて大丈夫です。

さて、では実際に水をあげるとなったとき。ここで大事なのが「いつ」「どれくらい」あげるかです。

まず時間帯。水やりは夕方、日が傾いてからにしてください。理想は夕方の5時以降、もしくは朝の早い時間です。なぜかというと、真夏の日中に水をあげると、水がすぐにお湯になってしまうからです。地表の温度は50度を超えることもあります。そこに水をまくと根が蒸されて、かえって傷んでしまう。良かれと思ってやったことが、とどめを刺してしまうことがあるんです。

次に量と頻度です。ここがいちばん間違えやすいところなんですが、「少しずつ毎日」は最悪です。理由は2つあります。ひとつは、ちょっとだけの水は表面しか濡らさないので、根が「上のほうに水がある」と勘違いして浅いところにばかり根を張るようになること。そうするとますます乾燥に弱い株になってしまいます。もうひとつは、頻繁に水分が入ることで、さつまいもが「今は水が豊富だ」と判断してつるを伸ばすほうにエネルギーを使ってしまう。さきほどお話しした、つるボケです。

ですから水やりの鉄則は「回数は少なく、一回はたっぷり」。具体的には1週間から10日に1回、1株あたり2リットルから3リットルくらい。ジョウロで言えば、しっかり時間をかけて土に染み込ませるイメージです。

そして、水をかける場所にもコツがあります。株元にドバドバかけるのではなく、畝の肩、つまり畝の斜面のあたりや、畝と畝のあいだの通路に流し込むようにしてください。株元だけを狙うと、水の勢いで土が削れて根が露出したり、いもの首のところが常に湿った状態になって傷みの原因になります。通路にたっぷり流し込んでおけば、水は横からじわじわと畝の内部に染み込んでいって、根全体に届きます。

もし畑の広さの都合でホースが届かない、水源が遠いという場合は無理をしなくても大丈夫です。さつまいもは多少の乾燥ではそう簡単に枯れません。次のポイント②の対策のほうが、実は効果が高い場合もあります。

[st-mybox title="ポイント①まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 日中のしおれは正常。慌てて水をやらない
  • 判断は「朝の葉っぱ」と「10cm掘った土の湿り気」
  • あげるなら夕方に、1週間〜10日に1回、株元ではなく通路にたっぷり

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ポイント② 水をやるより先に、土の表面を守る

続いて2つ目のポイント。これは水をあげることよりも、実は優先度が高いかもしれない対策です。

結論から言います。乾燥対策でいちばん効果があるのは「水を足すこと」ではなく、「今ある水分を逃がさないこと」です。理由はシンプルで、畑の水分が失われる原因の大半は土の表面からの蒸発だからです。真夏の日差しが直接土に当たっていると、せっかくの水分がどんどん空に逃げていきます。ここにフタをしてあげるだけで、水やりの回数を半分以下に減らすことができます。

①敷きわら(いちばんおすすめ)

畝の表面、つるが生えている株元のまわりに、稲わらを5センチくらいの厚さで敷いてください。わらがない場合は刈り取った草でも構いません。畑の周りの草を刈ったものを、そのまま畝に敷いてしまえばOKです。

敷きわらには3つの効果があります。土の表面からの水分の蒸発を防ぐ直射日光を遮って地温が上がりすぎるのを防ぐ雨が降ったときの泥はねを防いで病気を減らす。さらに言えば、敷いた草やわらはそのうち分解されて土に還り、翌年の土を良くしてくれます。一石二鳥、三鳥の対策です。

②黒マルチの扱いに注意

「黒マルチを張っているから乾燥は大丈夫ですよね」と思われるかもしれませんが、ここは少し注意が必要です。

たしかに黒マルチは水分の蒸発を防ぐ効果があります。これは間違いありません。ただし8月の黒マルチには、もうひとつの顔があります。それは太陽の熱を吸収して地温を上げてしまうという性質です。春先はこれがありがたいんですが、真夏になるとマルチの下の地温が40度近くまで上がってしまうことがあります。この温度になるとさつまいもの根の働きが落ちて、いもの肥大がストップしてしまいます。

対策は簡単で、黒マルチの上に刈った草やわらをかぶせてしまうことです。マルチの上に草を敷けば直射日光がマルチに当たらなくなるので、地温の上がりすぎを抑えられます。マルチの保水効果はそのままに、暑さだけを防ぐことができる。これはぜひ試してみてください。

③つるに畑を覆わせる

これは対策というより発想の転換なんですが、さつまいものつるが伸びて葉っぱが地面全体を覆っている状態。これ、実は最高のマルチなんです。葉っぱが日傘の役割をして、土に日光が直接当たらなくなる。土の温度も下がり、水分も逃げにくくなります。だから乾燥がひどい年ほど、つるを無闇に整理しないほうがいいんですね。

水をあげるのは水源が必要で、時間も体力も使います。でも草を刈って敷くのは、草刈りのついでにできる。だからこそ、こちらのほうが続けやすくて、結果的に効果が出るんです。

[st-mybox title="ポイント②まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 水分が逃げる原因の大半は「土の表面からの蒸発」
  • 敷きわら or 刈り草を5cmの厚さで畝に敷く。水やり回数が半分以下に
  • 黒マルチの上にも草をかぶせる。茂ったつるはそれ自体が優秀なマルチ

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ポイント③ 乾燥しているときに「やってはいけない」3つのこと

そして3つ目のポイント。これが今日いちばんお伝えしたいところかもしれません。結論から言うと、雨が降らない時期はさつまいもに余計なストレスを与えないこと。「何かしてあげよう」という気持ちをぐっとこらえるのが、いちばんの管理です。

乾燥している状態というのは、さつまいもにとってすでに軽いストレスがかかっている状態です。そこに人間が手を加えると、ストレスが二重、三重になって株が持ちこたえられなくなります。健康なときなら平気な作業でも、弱っているときにやると致命傷になる。人間の体と同じですね。

[st-step step_no="1"]乾燥がひどいときの「つる返し」[/st-step]

つる返しは、伸びたつるを持ち上げて地面に降りた不定根を切り離す作業のこと。これをやらないと栄養が分散していもが太らないので、基本的にはやったほうがいい作業です。ただし、これは水分が十分にある年の話です。

カラカラに乾いているときにつる返しをすると、まず地面を覆っていた葉っぱがめくれて土に直射日光が当たるようになります。これで一気に乾燥が進みます。さらに、つるを持ち上げること自体が葉っぱから水分を蒸発させて株を消耗させます。

干ばつが続いているときは、つる返しはお休みしてください。やるなら雨が降った直後、土が湿っているタイミングです。そのときに必要な範囲だけ。全部やらなくても大丈夫です。

[st-step step_no="2"]追肥(これは絶対にやめてください)[/st-step]

「元気がないから肥料をあげよう」というのは野菜づくりでよくある発想なんですが、さつまいもに関しては完全に裏目に出ます。

理由は2つ。ひとつは、さつまいもは肥料、特に窒素が多いとつるボケを起こすから。もうひとつが乾燥時特有の問題です。土が乾いている状態で肥料を入れると、肥料が水に溶けきらず土の中の濃度が一気に高くなります。すると浸透圧の関係で、根から水分が逆に吸い出されてしまう。これが「肥料焼け」です。乾燥時の追肥は、水を足すどころか株から水を奪う行為になってしまうんです。

8月のさつまいもに追肥は要りません。植え付けのときに入れた元肥だけで十分育ちます。

[st-step step_no="3"]深い除草と、根まわりの土いじり[/st-step]

畑の草が気になって8月に草取りをされる方は多いと思います。もちろん草が茂りすぎて日陰になるようなら刈ってあげる必要があります。ただし乾燥期にやってはいけないのは、根っこごと引き抜くような深い除草と、株のまわりを鍬でガシガシ耕すことです。

草を根ごと引き抜くと、そのときに一緒に土がめくれて、さつまいもの細い根も切れてしまいます。乾燥で弱っているところに根を切られると、もう水を吸えなくなってしまう。

対策としては、草は「刈る」だけにしてください。地際でハサミや鎌でチョキンと切る。それだけで十分ですし、切った草はそのまま畝に敷けばポイント②の敷きわらになります。一石二鳥ですね。

補足:乾燥のあとの大雨で起こる「いもの割れ」

長く乾燥が続いたあとに、突然まとまった雨が降ることがありますよね。ゲリラ豪雨や台風の雨です。

このとき何が起きるかというと、乾ききっていたさつまいもが急に水を大量に吸い上げます。すると、いもの内側が急激に膨らんで外側の皮が追いつかず、パックリと割れてしまう。これが「裂開」、いわゆる「いもの割れ」です。割れたいもは保存が効きません。切り口から腐りが入るので、すぐ食べるしかなくなります。せっかく大きく育っても、これでは台無しです。

[st-kaiwa2 r]この割れを防ぐ方法はあるんですか?[/st-kaiwa2 r]

[st-kaiwa1]いちばんの方法は、実は極端に乾かしすぎないことなんです。つまり今日お話ししてきたポイント①とポイント②、たまの水やりと敷きわらが、そのまま裂開の予防にもなっているんですね。乾燥と過湿の落差を小さくしてあげることが大切なんですよ。[/st-kaiwa1]

[st-mybox title="ポイント③まとめ" fontawesome="fa-leaf" color="#27ae60" bordercolor="#27ae60" bgcolor="#f5fff8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • つる返しはお休み。やるなら雨が降って土が湿ってから
  • 追肥は絶対にしない。乾燥時は「肥料焼け」で逆に水を奪う
  • 除草は根ごと抜かずに「刈るだけ」。切った草はそのまま畝に敷く

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まとめ

それでは、今日の内容をまとめます。

[st-step step_no="1"]水やりは「サイン」を見てから[/st-step] 日中のしおれは正常なので慌てない。朝になっても葉っぱが立ち上がらないときが本当のサインです。あげるときは夕方に、1週間から10日に1回、株元ではなく通路にたっぷり。少しずつ毎日は、いちばんやってはいけないパターンです。

[st-step step_no="2"]水をやるより先に、土の表面を守る[/st-step] 刈った草やわらを畝に敷いて、水分の蒸発と地温の上昇を防ぐ。黒マルチを使っている方はマルチの上にも草をかぶせてください。つるが茂って地面を覆っている状態は、それ自体が優秀なマルチです。

[st-step step_no="3"]乾燥しているときは余計なことをしない[/st-step] つる返しは雨が降ってからにする。追肥はしない。除草は根ごと抜かずに刈るだけ。そして乾燥と過湿の落差を小さくすることが、収穫時のいもの割れを防ぐことにもつながります。

改めて申し上げますが、さつまいもは本当にタフな野菜です。多少雨が降らなくても、そう簡単には枯れません。心配になって毎日水をやったり肥料をあげたりするほうが、失敗につながります。

「見守る」「土を守る」「余計なことをしない」。この3つの姿勢で、8月を乗り切ってください。このあと9月に入って朝晩が涼しくなってくると、いもの太りが一気に加速します。ここまで無事に葉っぱを維持できていれば、10月の収穫はきっと期待できるはずですよ。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]


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