[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 又根の本当の原因と、土づくりで防ぐ具体的な手順
  • 8月に急いでまくと失敗する3つの理由
  • 地域別の種まき適期カレンダー
  • 発芽後2週間を守り抜く防虫ネットと間引きのやり方

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▶ 動画で見たい方はこちら(この記事と同じ内容を動画で解説しています)

掘り上げた大根が、真っ二つに割れていた。

食べてみたら、辛くて筋っぽい。葉っぱは穴だらけ。

そんな経験はありませんか。私も家庭菜園を始めたばかりのころ、「大根は簡単だ」と聞いて、適当に耕して適当に種をまいて、見事に又根だらけの大根を収穫したことがあります。掘り上げた瞬間の「あっ……」という気持ちは、今でも覚えています。

でも、ここが大事なところです。大根のほとんどの失敗は、実は「8月のうちに決まってしまう」んですね。

原因はすべて、種をまく前と、まいた直後の作業にあります。秋になってから慌てて対処しようとしても、もう手遅れなんです。

逆に言えば、8月にこの3つさえきちんとやっておけば、秋の大根は驚くほど順調に育ちます。

[st-mybox title="8月にやるべき3つの鉄則" fontawesome="fa-leaf" color="#4CAF50" bordercolor="#4CAF50" bgcolor="#f6fbf6" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  1. 種まき2週間前までに「深く、丁寧に」土づくりを終わらせる
  2. 焦らない。適期を守って、暑さ対策とセットで種をまく
  3. 発芽してからの2週間を、防虫ネットと間引きで守り抜く

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初めて大根を育てる方でも分かるように、ひとつずつ丁寧に説明していきます。

鉄則① 種まき2週間前までに土づくりを終わらせる

1つ目の鉄則は土づくりです。しかも「種まきの2週間前までに終わらせる」というのが大事なところです。

なぜ2週間前なのか

理由は2つあります。

ひとつは、石灰や肥料を土になじませる時間が必要だから。まいた直後の土は、成分がまだ均一になっていません。この状態で種をまくと、根っこが濃い肥料に直接触れて傷んでしまうことがあります(肥料焼け)。

もうひとつは、有機物を分解させる時間が必要だから。ここが特に大事です。大根は、未熟な有機物にとても弱い野菜なんです。

又根の正体は「土の中の障害物」

大根が地面の中でまっすぐ伸びていく途中で、分解しきっていない堆肥のかたまりや、枯れ草、それから小石にぶつかると、根っこの先端が傷んで、そこから二股、三股に分かれてしまいます。これがいわゆる「又根(またね)」です。

[st-kaiwa1]つまり又根って、大根が悪いんじゃないんですね[/st-kaiwa1]

[st-kaiwa2 r]そうなんです。土の中に障害物があった、というだけの話なんですよ[/st-kaiwa2]

だから障害物をなくしてあげれば、大根はまっすぐ伸びてくれます。

具体的な土づくりの手順

[st-step step_no="1"]30〜40cm深く耕す[/st-step] 「そんなに深く?」と思われるかもしれませんが、大根は品種にもよりますが30センチ以上、地中に伸びていきます。表面だけをサッと耕して、下がガチガチに固いままだと、そこで根が止まって太くて短い大根になってしまいます。

スコップを土に垂直に差し込んで、テコの原理でグッと持ち上げる。これを畑全体で繰り返します。夏場ですから、朝の早い時間か夕方に。真昼の作業は本当に危険ですので、無理は禁物です。

[st-step step_no="2"]石を拾う[/st-step] ピンポン玉くらいの石はもちろん、親指の先くらいの石でも、当たれば又根の原因になります。土をふるいにかけるくらいの気持ちで、小さい石も拾ってください。地味な作業ですが、この地味な作業が収穫のときに一番効いてきます。

[st-step step_no="3"]石灰と元肥を入れる[/st-step] 大根は酸性の土がやや苦手で、ペーハーでいうと6.0から6.5くらいが理想です。苦土石灰を1平方メートルあたり100〜150グラムまいて、よく混ぜ込みます。

そして元肥として、化成肥料を1平方メートルあたり100グラム程度、完熟堆肥を2〜3キロほど。

ここでのキーワードは「完熟」です。袋を開けたときに土のような匂いがして、形が崩れているものが完熟堆肥。逆に、まだ草や糞の形が残っていて、ツンとした匂いがするものは未熟です。大根には使わないでください。どうしても使うなら、種まきの1か月以上前に入れておく必要があります。

[st-step step_no="4"]高めの畝を立てる[/st-step] 高さは10〜15センチ、幅は60〜70センチくらい。8月から9月は台風やゲリラ豪雨がありますから、水はけをよくするために畝はやや高めに。粘土質の畑なら、思い切って20センチくらい高くしてもいいと思います。

[st-mybox title="鉄則①のまとめ" fontawesome="fa-check" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 30〜40cm深く耕して、小さい石まで拾う
  • 苦土石灰100〜150g/㎡、完熟堆肥2〜3kg/㎡、化成肥料100g/㎡
  • 畝は高さ10〜15cm(粘土質なら20cm)
  • すべて種まきの2週間前までに終わらせる

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鉄則② 焦らない。適期を守って暑さ対策とセットで

2つ目の鉄則は種まきです。ここで一番お伝えしたいのは、「焦って早くまかないでください」ということです。

家庭菜園をされている方は本当に真面目なので、8月に入るとすぐ「そろそろまかなきゃ」とソワソワしてしまうんですね。私もそうでした。でも大根の秋まきに関しては、早すぎるのは百害あって一利なしなんです。

8月に急いでまく3つの失敗

[st-mybox title="早すぎる種まきのリスク" fontawesome="fa-exclamation-triangle" color="#E91E63" bordercolor="#E91E63" bgcolor="#fff5f8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 地温40度超え:大根の発芽適温は15〜30度。8月上旬〜中旬の地表は40度を超えることも。発芽がそろわず、苗がヒョロヒョロに徒長します
  • アブラムシの猛威:暑い時期はアブラムシが大量に飛来。「モザイク病」というウイルス病を運びます。一度かかると治す方法はなく、抜いて処分するしかありません
  • す入り:高温期にまくと、生育後半で中身がスカスカになるリスクが跳ね上がります

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地域別の種まきカレンダー

  • 寒冷地(東北・北海道・高冷地):8月上旬〜中旬
  • 中間地(関東〜近畿の平地):8月下旬〜9月中旬。ベストは9月上旬
  • 暖地(九州・四国の平地):9月上旬〜10月上旬

ご自分の地域がどれに当たるか分からない場合は、種袋の裏を見てください。ほとんどの種袋に地域別の栽培カレンダーが載っています。あれが一番確実です。

品種選びも一言だけ。8月から9月にまく秋大根なら、「耐病総太り」が初心者の方には本当におすすめです。名前のとおり病気に強くて、形もそろいやすく、味も良い。まず失敗しにくい品種です。

まき方の手順

大根は「直まき」、つまり畑に直接まきます。ポットで育ててから植え替えることはしません。根っこを触ると、それだけで又根になってしまうからです。

[st-step step_no="1"]株間25〜30cmでまき穴を作る[/st-step] 空き瓶の底や缶の底を土に押し当てると、深さのそろった平らな穴が簡単にできます。深さは1センチくらいで十分です。

[st-step step_no="2"]4〜5粒を少し離してまく[/st-step] 1粒ずつではなく複数まくのがコツです。発芽しない種があったときの保険になりますし、複数の芽が競い合うことで丈夫な苗が育ちます。

[st-step step_no="3"]覆土1cm、手のひらでしっかり鎮圧[/st-step] かけすぎると発芽しにくくなります。そして上から手のひらで押さえる。この「鎮圧」、地味ですが重要です。種と土が密着することで水分がしっかり伝わり、発芽がそろいます。

[st-step step_no="4"]たっぷり水やり+寒冷紗のトンネル[/st-step] 8月の畑は乾いていますから、しっかり湿らせます。そして畝の上に寒冷紗か白い防虫ネットでトンネルを。直射日光がやわらいで地温が下がり、同時に虫の侵入も防げます。

順調なら2日から4日で、可愛らしい双葉が出てきます。

[st-mybox title="鉄則②のまとめ" fontawesome="fa-check" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 中間地なら8月下旬〜9月中旬。ベストは9月上旬
  • 迷ったら種袋の裏の栽培カレンダーを見る
  • 品種は「耐病総太り」が初心者向け
  • 株間25〜30cm、4〜5粒、覆土1cm、しっかり鎮圧
  • まいたら寒冷紗のトンネルをかける

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鉄則③ 発芽後の2週間を防虫ネットと間引きで守り抜く

3つ目の鉄則です。結論から言うと、大根栽培で一番気を抜けないのが、発芽してからの2週間です。ここで守り切れるかどうかで、収穫の姿がまるで変わります。

なぜかというと、この時期の大根の葉は、虫にとって、この上なくやわらかくて美味しいご馳走だからです。

特に注意したい害虫

[st-mybox title="大根につきやすい害虫" fontawesome="fa-bug" color="#FF9800" bordercolor="#FF9800" bgcolor="#fffaf5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • キスジノミハムシ:体長2ミリほどの、黒くて背中に黄色い筋が入った小さな甲虫。跳ねるように動きます。葉に小さな穴をたくさん開けるだけでなく、幼虫が土の中で大根の表面をかじるので、収穫した大根の肌が黒くザラザラに
  • ヨトウムシ:夜に活動。一晩で葉を丸裸にしてしまうことも
  • アブラムシ・コナガ:おなじみの厄介者

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答えはシンプル、「入れない」こと

農薬を使わずに済ませたいなら、防虫ネットを種まきのときからずっとかけっぱなしにしておくのが最も確実です。

目合いは1ミリ以下のものを選んでください。キスジノミハムシは本当に小さいので、目が粗いと入ってきてしまいます。

そしてネットの裾は必ず土でしっかり埋めるか、専用のピンで留めてください。虫は上からではなく、横の隙間から入ってきます。ここが甘いと、せっかくのネットが意味をなしません。

間引きや水やりでネットを開けたときは、必ずすぐに閉じる。これも大事です。

間引きは3回に分けて

[st-mybox title="間引きのタイミング" fontawesome="fa-scissors" color="#4CAF50" bordercolor="#4CAF50" bgcolor="#f6fbf6" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 1回目:双葉が開いたころ → 3本に。双葉が左右対称で、まっすぐ立っているものを残す
  • 2回目:本葉2〜3枚のころ → 2本に
  • 3回目:本葉6〜7枚のころ → 1本立ちに

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双葉の形は、その後の根の形と関係すると言われていますので、よく見て選んでください。

間引くときは、根元をハサミで切るか、残す株の根元を指で押さえながらそっと抜きます。勢いよく引っ張ると、隣の株の根まで一緒に動いてしまって、それが又根の原因になります。

そして間引き菜、これは捨てないでください。おひたし、味噌汁の具、炒め物、どれにしても美味しいです。栄養価も高いんですよ。私は間引き菜のごま和えが好きで、これを楽しみに大根を育てているところもあります。

水やりと追肥

発芽してから根が張るまでは、土の表面が乾いたらたっぷり与えてください。8月から9月はまだ暑いので、朝か夕方に。特に発芽直後に乾かしてしまうと、そのまま枯れてしまいます。

ただし、根が張ってからはやりすぎないこと。大根は水が多すぎると、根が深く伸びなくなります。

追肥は、2回目の間引きのあとと3回目の間引きのあとの合計2回。化成肥料をひとつかみ、株の周りにまいて、軽く土と混ぜながら株元に寄せます。

この土寄せもポイントで、大根の肩の部分が地表に出て日光に当たると、そこが緑色になったり割れの原因になったりします。追肥のたびに株元に土を寄せておいてください。

[st-mybox title="鉄則③のまとめ" fontawesome="fa-check" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 目合い1mm以下の防虫ネットを種まき時からかけっぱなし
  • 裾は土に埋めるかピンで留める。虫は横から入る
  • 間引きは3回。双葉が左右対称のものを残す
  • 追肥は2回、土寄せとセットで

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まとめ

[st-step step_no="1"]種まき2週間前までに土づくりを終わらせる[/st-step] 30〜40cm深く耕して、石を拾い、完熟堆肥と石灰と元肥を入れる。又根は土づくりで防げます。

[st-step step_no="2"]焦らず、適期にまく[/st-step] 中間地なら8月下旬〜9月中旬。まき穴に4〜5粒、覆土1cm、しっかり鎮圧してたっぷり水やり。そして寒冷紗か防虫ネットでトンネルをかける。

[st-step step_no="3"]発芽後の2週間を守り抜く[/st-step] 目合い1ミリ以下の防虫ネットを裾までしっかり固定して、間引きは3回に分けて最終的に1本立ち。追肥は2回、土寄せとセットで。

この3つです。難しいことは何ひとつありません。ただ、ひとつひとつを丁寧にやるかどうか。それだけです。

大根は、収穫したときの喜びが本当に大きい野菜です。土の中から真っ白でまっすぐな大根が出てきたときの、あの「よし!」という気持ち。あれは何年やっても嬉しいものです。

しかも、おでん、ぶり大根、大根おろし、味噌汁、漬物。使い道がいくらでもある。育てて楽しく、食べて美味しい。家庭菜園にこれほど向いた野菜もそうそうありません。

8月はまだまだ暑い日が続きます。作業をされるときは、必ず朝か夕方の涼しい時間帯に、水分をこまめに取りながら、無理のない範囲で進めてください。畑仕事は逃げませんので、ご自身の体を一番に考えていただければと思います。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]

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