[st-mybox title="この記事でわかること" fontawesome="fa-check-circle" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 春に採れた芋を種芋にしてはいけない2つの理由
  • 種芋を腐らせないための「浴光催芽」のやり方
  • ナス科の連作を避け、石灰は撒かない土づくり
  • 植え付け日を初霜から逆算する方法と、そろえておく資材

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秋じゃがいもで失敗する人のほとんどは、植え付けの当日に失敗しているんじゃありません。8月のうちに、やっておくべき準備をやっていなかったから失敗しているんです。

私も家庭菜園を始めた頃、春に大成功したのと同じやり方で秋にもチャレンジして、種芋が土の中でドロドロに腐って、芽が一本も出てこなかった、という苦い経験があります。掘り返してみたら、白い根っこどころか、種芋の形すら残っていなかったんですね。

なぜそんなことが起きるのか。理由はシンプルで、秋じゃがいもは一年でいちばん暑くて、雨が多い時期に植える作物だからです。春じゃがいもは、だんだん暖かくなっていく「上り坂」の環境で育ちます。ところが秋じゃがいもは、猛暑のピークにいきなり植えて、そこから涼しくなっていく「下り坂」で育てるわけです。スタートの環境が真逆なんですよ。

土の中は30度を軽く超えていますし、ゲリラ豪雨で畑が水浸しになることもあります。その状態で、何の準備もせずに種芋をポンと埋めたら、ほぼ確実に腐ります。

だからこそ、8月のうちにやっておく準備が、その年の収穫を決めてしまうんです。

[st-mybox title="8月中に準備しておく3つのこと" fontawesome="fa-leaf" color="#4CAF50" bordercolor="#4CAF50" bgcolor="#f6fbf6" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  1. 秋作専用の種芋を、8月のうちに手に入れて準備しておく
  2. 畑と土を、秋じゃがいも用に作り替えておく
  3. 植え付け日を逆算して、暑さ対策の資材をそろえておく

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それでは、1つ目から見ていきましょう。

ポイント① 秋作専用の種芋を、8月のうちに手に入れて準備する

まず1つ目のポイントは、秋作専用の種芋を、8月のうちに確保して、植え付けに向けた準備をしておくということです。種芋選びの時点で、秋じゃがいもの成否は半分以上決まってしまいます。

春に収穫した芋を使ってはいけない理由

「せっかくたくさん採れたし、余っているから種芋にすればいいじゃないか」。この気持ち、すごくよくわかります。でも、これはやめておいたほうがいいんです。

[st-mybox title="春の芋を秋の種芋にできない2つの理由" fontawesome="fa-exclamation-triangle" color="#E91E63" bordercolor="#E91E63" bgcolor="#fff5f8" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 休眠:じゃがいもには2〜3ヶ月の休眠期間があり、秋の植え付け時期にまだ覚めきっていないことが多い。芽が出ないまま高温多湿にさらされて腐る
  • 病気:目に見えないレベルで菌やウイルスが入り込んでいることがあり、高温多湿の秋作でその弱点が一気に表に出る

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面倒でも、秋作用に売られている種芋を買う。これが遠回りに見えて、実は一番の近道です。ホームセンターや種苗店で、8月に入ると「秋作用種芋」として並び始めます。

秋作向きの品種を選ぶ

秋じゃがいもは、植えてから収穫までだいたい90日から100日。霜が降りる前に終えなければいけないので、時間との勝負です。だから、早く育つ品種、病気に強い品種を選びます。

秋作の定番は、デジマ、ニシユタカ、アンデスレッド、出島系、アイユタカあたり。一方で、男爵やキタアカリは春作では抜群においしいですが、秋作にはあまり向いていません。休眠が深くて芽が出にくかったり、高温に弱かったりするからです。

なぜ8月中に買っておくのか

「9月に植えるなら、9月に買えばいいのでは?」と思われるかもしれません。でも、8月中に買っておいてほしいんです。

理由は2つ。秋作の種芋は流通量が少なくて、すぐに売り切れるから。9月に入ってから買いに行ったら棚が空っぽ、というのは本当によくある話です。

もう1つが、芽出しの時間を確保するため。ここが実は一番大事なところです。

浴光催芽 明るい日陰に置いておく

種芋を買ってきたら、すぐに植えるのではなく、明るい日陰に並べて置いておきます。これを「浴光催芽」、簡単に言えば「芽出し」と言います。

[st-step step_no="1"]袋から出して、ダンボールや育苗トレイに重ならないように並べる[/st-step] [st-step step_no="2"]直射日光は当たらないが明るい場所に置く(玄関の中、風通しのいい軒下など)[/st-step] [st-step step_no="3"]2〜3週間ほど置いて、緑がかった短くて太い芽が出るのを待つ[/st-step]

大事なのは3つ。直射日光には当てないこと。風通しをよくすること。重ねないこと。密閉した袋に入れっぱなしにすると蒸れて腐ります。

なぜそろいがいいと嬉しいのか。土の中にいる時間が短いということは、腐るリスクにさらされる時間が短いということなんですね。秋じゃがいもの最大の敵は「土の中で腐ること」ですから、その時間を1日でも短くしてやる。これが浴光催芽の本当の狙いです。

種芋は切らない

もう1つ、秋じゃがいもの鉄則。種芋は切らずに、丸ごと植えます。

春は気温が低くて乾燥しているので、切り口が乾いてカサブタ状になって守られます。でも秋は気温が高くて雨も多い。切り口という「傷口」から雑菌がどんどん入り込んで、あっという間に腐ってしまうんですね。

秋じゃがいもの種芋は必ず丸ごと。買うときも、切らずに植えられるサイズ、卵くらいの大きさ、重さで言うと40〜60グラムくらいのものを選ぶといいですね。大きすぎる種芋しか手に入らなかった場合は、切るのではなく、そのまま丸ごと植えてしまって構いません。

[st-mybox title="ポイント①のまとめ" fontawesome="fa-check" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 秋作用の種芋を8月中に買う(春の芋は使わない)
  • 明るい日陰で2〜3週間、浴光催芽をする
  • 切らずに丸ごと植えられる40〜60gサイズを選ぶ

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ポイント② 畑と土を、秋じゃがいも用に作り替えておく

続いて2つ目のポイントです。種芋の準備ができても、受け入れる側の土ができていなければ意味がありません。土づくりは、植え付けの直前ではなく、8月のうちに、最低でも2週間前には終わらせておきたい作業です。

まず前作を確認する ナス科の連作を避ける

じゃがいもは「ナス科」の植物です。同じナス科にはトマト、ナス、ピーマン、シシトウ、唐辛子などがあります。

このナス科の作物を続けて同じ場所で作ると、連作障害が起きます。秋じゃがいもの場合、特に怖いのが青枯病という病気です。高温期に多発し、株が青々としたまま、ある日突然しおれて枯れます。しかも土の中に菌が残るので、一度出るとやっかいです。

今年の春から夏にかけてトマトやナスを作っていた場所は避ける。ナス科を作った場所は2〜3年空けるのが理想です。畑に余裕がない場合は、接木苗を選ぶ、畝の位置をずらす、プランターを併用する、太陽熱消毒をするといった工夫でリスクを下げましょう。8月はまさに太陽熱消毒に最適な時期です。

石灰は基本的にいらない

「植え付け前に苦土石灰を撒いて土を中和しましょう」とよく言われますが、じゃがいもに関しては、石灰は基本的にいりません。

じゃがいもは少し酸性寄りの土のほうが元気に育つ作物なんです。目安はpH5.0〜6.0くらい。日本の畑は雨が多いので、放っておくとだいたいこのくらいの酸度になります。

石灰を撒いてアルカリ性に寄せすぎると、そうか病という病気が出やすくなります。芋の表面がカサブタのようにザラザラになる病気です。じゃがいもを植える場所には石灰を撒かない。これを覚えておいてください。

元肥は控えめに

肥料、特に窒素分が多すぎると、葉っぱと茎ばかりが大きく育って、肝心の芋が太らない「つるボケ」に近い状態になります。秋作は育つ期間が短いので、そもそもたくさんの肥料を使い切れません。

目安は、1平方メートルあたり化成肥料100〜150グラム。堆肥を入れる場合は、完熟したものを2〜3キロ、植え付けの2週間以上前に。未熟な堆肥は土の中で発酵して熱が出るため、ただでさえ暑い8月の土がさらに高温になり、種芋が蒸し焼きのようになって腐ってしまいます。コガネムシの幼虫を呼び寄せる問題もあります。

高畝にして水はけをよくする

秋じゃがいもの土づくりで一番大事なのが、水はけです。腐る一番の原因は、水がたまることです。

8月から9月はゲリラ豪雨や台風のシーズン。平らな畑にそのまま植えていると、水がたまって種芋が水の中に浸かった状態になり、酸欠と雑菌でひとたまりもありません。

[st-mybox title="秋じゃがいもの畝の目安" fontawesome="fa-arrows-alt-v" color="#2196F3" bordercolor="#2196F3" bgcolor="#f5faff" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 高さ20〜30cm(春じゃがいもよりしっかり高く)
  • 幅60〜70cmで1条植え
  • 粘土質の畑はもみ殻やバーク堆肥を混ぜて水はけを改善

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畑全体の水はけも見直しておきましょう。低いところに水がたまりやすいなら、周りに溝を掘って水の逃げ道を作っておく。台風が来てから慌ててスコップを持ち出しても遅いですからね。

[st-mybox title="ポイント②のまとめ" fontawesome="fa-check" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • ナス科の後は避ける(無理なら太陽熱消毒)
  • 石灰は撒かない
  • 元肥は控えめに、堆肥は完熟のものを2週間以上前に
  • 畝は高さ20〜30cm、水はけ最優先

[/st-mybox]

ポイント③ 植え付け日を逆算して、暑さ対策の資材をそろえる

3つ目のポイントです。植え付け日を逆算して、暑さ対策の資材をそろえておく。意外と見落とされがちなポイントです。

植え付け日は「早すぎず、遅すぎず」

一般的な目安は8月下旬から9月上旬。早く植えすぎると地温が高すぎて腐る確率が跳ね上がり、遅すぎると霜に間に合わず、まだ小さい芋しかできていない状態で終わってしまいます。

じゃがいもは植え付けから収穫まで90〜100日必要です。自分の住んでいる地域で初霜がいつごろ降りるかを調べて、そこから逆算します。たとえば初霜が12月上旬の地域なら、100日さかのぼって8月末から9月頭が植え付けのリミットです。この逆算を、8月のうちにやっておいてください。

地温を測る という発想を持つ

じゃがいもの種芋が安心して芽を出せる地温は、だいたい25度前後まで。30度を超えると腐るリスクが一気に高まります。

温度計を1本持っておいて、土に10センチほど差し込んで測ってみる。夕方4時ごろ、一日でいちばん地温が上がっている時間帯に測って、30度を大きく超えているようならまだ植えるには早い、という判断ができます。

暑さと雨に備える資材をそろえる

[st-mybox title="8月中にそろえておく資材" fontawesome="fa-toolbox" color="#FF9800" bordercolor="#FF9800" bgcolor="#fffaf5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 敷きわら・刈り草:地温を下げ、乾燥と泥はねを防ぐ
  • シルバーマルチ(白黒リバーシブルの白面):光を反射して地温上昇を抑える
  • 寒冷紗・遮光ネット:発芽までの2週間ほど、直射日光と強い雨から守る
  • 支柱やトンネル用の資材:寒冷紗をかけるときに使う

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これらは8月のホームセンターならまだ在庫が豊富。9月に入ると品薄や値上がりが起きるので、早めに買っておくのが賢い選択です。

植え付け直後の水やりについても決めておく

結論から言うと、秋じゃがいもは、植え付け直後に水をやらないほうがいいです。土に元々含まれている水分だけで、種芋は十分に芽を出せます。「植えたら水をあげる」はつい手が動いてしまう習慣なので、あらかじめ「やらない」と決めておくことが大事です。

ただし、畑がカラカラで握っても土がまとまらないような状態なら例外。植え付けの前日に畝全体にたっぷり水を撒いておき、植え付け当日は水をやらない、という順番にしてください。

[st-mybox title="ポイント③のまとめ" fontawesome="fa-check" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"]

  • 初霜から100日さかのぼって植え付け日を決める
  • 地温を測る習慣を持つ(夕方4時・25度目安)
  • わら、シルバーマルチ、寒冷紗を早めにそろえる
  • 植え付け直後は水をやらない

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まとめ

[st-step step_no="1"]秋作専用の種芋を8月中に手に入れて、明るい日陰で芽出しをしておく[/st-step] 春に採れた芋は使わない。秋作向けの品種を選ぶ。切らずに丸ごと植えられる、卵くらいのサイズを選ぶ。

[st-step step_no="2"]畑と土を秋じゃがいも用に作り替えておく[/st-step] ナス科の後は避ける。石灰は撒かない。元肥は控えめに、堆肥は完熟のものを2週間以上前に。畝を高くして水はけを最優先に。

[st-step step_no="3"]植え付け日を逆算して、暑さ対策の資材をそろえておく[/st-step] 初霜から100日さかのぼって植え付け日を決める。地温を測って最終判断をする。わら、シルバーマルチ、寒冷紗を早めに用意しておく。

改めてお伝えしたいのは、秋じゃがいもは、8月の準備が9割だということです。植え付け当日にできることなんて、正直そんなに多くありません。土に穴を掘って、種芋を置いて、土をかぶせる。それだけです。でもその「それだけ」の作業が実を結ぶかどうかは、その前の3週間、4週間で何をしてきたかにかかっているんですね。

秋じゃがいもは、うまくいくと本当に感動しますよ。寒さに当たった秋じゃがいもは甘みが乗って、とてもおいしくなります。しかも貯蔵性が高いので、冬の間ずっと食べられます。年末年始の煮物に、自分で育てたじゃがいもが使える。これはなかなか嬉しいものです。

今はまだ8月で、暑さの真っ只中です。朝の涼しいうちか、夕方に少しずつ進めるようにしてくださいね。熱中症には本当に気をつけて、無理をしない範囲で準備を進めていきましょう。

[st-mybox title="今回の作業に使うもの" fontawesome="fa-shopping-cart" color="#f79256" bordercolor="#f79256" bgcolor="#fff8f5" borderwidth="2" borderradius="5" titleweight="bold"] 記事の中でご紹介した資材です。お手元にないものがあれば、こちらから確認できます。 [/st-mybox]

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